Arduino Uno R4 Minimaの仕様・機能

当記事では、Arduino Uno R4 Minimaの仕様・機能について、詳しく解説します。
Arduino Uno R4 Minimは、20種類以上の数あるエディションの中で、最も代表的かつ基本的なエディションです。
Arduino Uno R3の後続機種で、マイコン・メモリなどの基本スペック向上やDAC、オペアンプ、CANなど新機能も追加されています。
2025年7月現在では、Arduino Uno R4 Minimは旧機種のArduino Uno R3よりも価格が安くなっているようです。
旧機種のArduino Uno R3の仕様・機能についての詳細は、以下の記事をご覧ください。

Arduino Uno R4 Minimaの基本仕様
仕様 | Arduino Uno R4 Minima |
---|---|
基板サイズ | 68.85×53.34mm |
マイコンチップ/ 動作周波数 (プロセッサ) | Renesas RA4M1 (Arm Cortex-M4)/ 48MHz |
SRAM (メインメモリ) | 32kB |
Flashメモリ (フラッシュメモリ) | 256kB ※プログラムを保存 |
EEPROM | 8kB |
動作電圧 | +5V |
電源入力電圧 | +6~+24V |
出力電圧 | +5V、+3.3V |
デジタル入出力 | 20本 |
PWM出力 (パルス幅変調出力) | 6本 |
アナログ入力 | 6本 |
アナログ出力 (DAC) | 1本 |
オペアンプ | 1個 |
端子の定格電流 | 8mA/各端子 |
プログラム 書き込み端子 | USB Type-C SWD |
インターフェース | UART I2C SPI CAN |
その他 | RTC USB-HID ICSP SWD |

Arduino Uno R4 Minima以外のArduinoボードの仕様については、以下の記事をご覧ください。

Arduino Uno R4 Minimaの機能
Arduino Uno R4 Minima外観

ソケット配置(ピン配置)/LED配置

↑クリックすると拡大できます。
①マイコン(プロセッサ)
Arduino Uno R4 Minimaのマイコン(プロセッサ)はRenesas Electronics社(日本)の「RA4M1」が使用されています。
マイコンとは、マイクロコントローラ(またはマイクロコンピュータ)の略称で、人間で言えば「頭脳」に相当する電子機器を制御する上では大変重要な部品です。
SRAM、Flashメモリ、EEPROM、RTC、USB-HIDなどの機能もマイコン内部に組み込まれています。
マイコン内部の機能 | 説明 |
---|---|
SRAM | プログラム(スケッチ)実行中に使用する変数やデータ、スタック、ヒープなどを一時的に格納 電源を切ると内容が失われる揮発性メモリ |
Flashメモリ | プログラムやブートローダが格納 電源を切っても内容が消えない不揮発性メモリ |
EEPROM | プログラム実行中や電源が切られた後も保持したい設定データや校正値など比較的、小さな永続データを格納 電源を切っても内容が消えない不揮発性メモリ |
RTC (リアル・タイム・クロック) | 正確な時刻を刻み続けるための時計機能 |
USB-HID (USBヒューマン・インターフェース・デバイス) | 人間が操作するデバイスを、USB経由でホスト機器に接続する機能 (キーボードの文字入力やマウスのカーソル移動などをマイコンから操作可能) |

②USBポート
USBケーブルで、Arduino Uno R4 MinimaとPCのUSBポートに接続することで、Arduino Uno R4 Minima-PC間で、通信をすることができます。
PCで作成したプログラム(スケッチ)を、Arduino Uno R4 Minimaに書き込んだり、シリアル通信によって、PCからArduino Uno R4 Minimaを制御することができます。
また、電源ジャックの代わりに、USBによってArduino Uno R4 Minimaに給電することも可能です。

③電源ジャック
ACアダプタ(外形5.5mm、内径2.1mm)を接続して、Arduino Uno R4 Minimaに給電することができます。

④リセットボタン
リセットボタンを押すことで、Arduino Uno R4 Minimaを再起動することができます。プログラムを最初からやり直したい場合やArduino Uno R4 Minimaの動作がおかしい場合などに利用します。
⑤入出力ポート・電源
デジタル入出力・PWM
デジタル入出力・PWM | 説明 |
---|---|
D0-D19 | デジタル入出力(0-19番ピン) HIGH(+5V)/LOW(0V)の入出力 |
PWM | 0~+5Vのアナログ出力 0Vと+5Vを高速で切り替えることで、擬似的にアナログ出力する方式 |
PWMとシリアル通信はデジタル入出力と共用です。プログラムでどちらを使うか指定できます。

アナログ入力/アナログ出力
アナログ入力 | 説明 |
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A0-A5 | アナログ入力(0-5番ピン) 14bitのA/Dコンバータ(約0.305mVごとに1段階変化) |
アナログ出力 | 説明 |
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DAC0 | アナログ入力(0番ピン) 12bitのD/Aコンバータ(約1.22mVごとに1段階変化) |

↑PWM出力の関数も解説しています。
オペアンプ
オペアンプ | 説明 |
---|---|
AMP+ | オペアンプ+入力 |
AMP- | オペアンプ-入力 |
AMPO | オペアンプ出力 |
マイコン(プロセッサ)の「RA4M1」には4つの独立したオペアンプユニット(AMP0~AMP3)が搭載されています。
その内、AMP0がA1~A3端子に接続されているため、オペアンプとして使用することができます。

通信(コミュニケーション)
通信 (コミュニケーション) | 説明 | |
---|---|---|
UART (シリアル通信) ※USBシリアル通信にも使用 | TX | シリアルデータ送信 |
RX | シリアルデータ受信 | |
I2C ※A4、A5と内部的に接続 | SCL | シリアルクロック |
SDA | シリアルデータ送受信 | |
SPI | SS | 制御対象のデバイス選択 |
SCK | シリアルクロック | |
MOSI | マスター⇒スレーブのデータ転送 | |
MISO | スレーブ⇒マスターのデータ転送 | |
CAN (コントローラ・エリア・ネットワーク) | TX | シリアルデータ送信 |
RX | シリアルデータ受信 |



電源関連
電源関連 | 説明 |
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Vin | 「③電源ジャック」の電圧が出力、 電源ジャックを使わず「Vin」からの給電も可能 |
GND | グラウンド・基準点 |
+5V | +5Vの電圧出力 |
+3.3V | +3.3Vの電圧出力 |
その他
その他 | 説明 |
---|---|
GND | グラウンド・基準点 |
AREF | アナログ入力の基準電圧(0~+5Vを入力) 通常は使用しない |
RESET | リセット (「④リセットボタン」と同機能) |
IOREF | +5Vの電圧出力 |
BOOT | ブートローダー書き込み時にGNDに接続 (ブートローダー破損時やカスタムブートローダーを書き込みたい場合) |
⑥LED
LED | 説明 |
---|---|
ON | Arduino Uno R4 Minimaに給電されると点灯 |
TX | シリアル通信で送信時に点滅 |
RX | シリアル通信で受信時に点滅 |
L | デジタル入出力の13番に接続 |
Arduino Uno R4 Minimaには4つのLED(チップ部品)が搭載されています。「L」のLEDについてもう少し詳しく説明すると、デジタル入出力の13番に接続されており、プログラムで13番ピンをHIGH(5V)にすると、点灯させることができます。
以下の記事では、統合開発環境のArduino IDEを使用して、Arduino Uno R4 Minimaのプログラム書き込み方法を紹介しているのですが、サンプルプログラムとして、「L」のLEDを点滅させるプログラムを作成しています。

⑦ICSP
ICSPは、SPI通信を行うために使用します。ICSP端子からSPIとして使用するシールドがあり互換性を持たせる意味で残していると考えられます。
なお、Arduino Uno R3まではブートローダーの書き込みとして使用していましたが、Arduino Uno R4 Minimaではブートローダーの書き込みはSWD端子を用います。
⑧SWD
SWDは、ブートローダーの書き込みやブートローダーを介さないプログラム(スケッチ)の直接書き込み、SWDインターフェースでのデバッグなどに使用します。
どの機能も上級者向けなので、初心者・中級者の方はまず使用することはないでしょう。
Arduino Uno R4 Minimaの技術資料の入手方法
Arduino Uno R4 Minimaは、回路図などの各種技術資料をArduino公式WEBサイトから入手できます。
- 回路図:PDF形式
- データシート:PDF形式
まずは、以下のリンクからArduino公式WEBサイトに移動します。


「Documentation」の項目が表示されるまで下にスクロールします。

それぞれのアイコンをクリックすると、回路図、データシートがダウンロードできます。
Arduino Uno R4 MinimaとArduino Uno R3の比較
仕様 | Arduino Uno | Arduino Uno R4 Minima |
---|---|---|
基板サイズ | 74.9×53.3mm | 68.85×53.34mm |
マイコンチップ/ 動作周波数 (プロセッサ) | ATmega328P/ 16MHz | Renesas RA4M1 (Arm Cortex-M4)/ 48MHz |
SRAM (メインメモリ) | 2kB | 32kB |
Flashメモリ (フラッシュメモリ) | 32kB ※プログラムを保存 | 256kB ※プログラムを保存 |
EEPROM | 1kB | 8kB |
動作電圧 | +5V | +5V |
電源入力電圧 | +7~+12V | +6~+24V |
出力電圧 | +5V、+3.3V | +5V、+3.3V |
デジタル入出力 | 20本 | 20本 |
PWM出力 (パルス幅変調出力) | 6本 | 6本 |
アナログ入力 | 6本 | 6本 |
アナログ出力 (DAC) | - | 1本 |
オペアンプ | - | 1個 |
端子の定格電流 | 40mA/各端子 ※20mA/各端子、100mA/全端子までを推奨 | 8mA/各端子 |
プログラム 書き込み端子 | USB Type-B ICSP | USB Type-C SWD |
インターフェース | UART I2C SPI | UART I2C SPI CAN |
その他 | - | RTC USB-HID ICSP SWD |
Arduino Uno R4 Minimaの選び方

『Arduino Uno R4 Minima』は、ボード単体の他に、互換品や電子部品と組み合わせたキットも存在します。
電子工作初心者にとっては、どれを選べばいいのか迷ってしまうかもしれませんが、以下の記事で初心者でもわかりやすいように、ランキング形式でおすすめのArduino Uno R4 Minimaを紹介しています。ぜひご覧ください。
