Arduino Mega 2560 R3の仕様・機能

当記事では、Arduino Mega 2560 R3(以下、Arduino Mega 2560)の仕様・機能について、詳しく解説します。

Arduino Mega 2560は、Arduino Unoと比較して、メモリやI/Oが大幅に増えています。

Arduino Mega 2560の基本仕様

仕様	Arduino Mega 2560
基板サイズ	101.52×53.3mm
マイコンチップ/ 動作周波数 (プロセッサ)	ATmega2560/ 16MHz
SRAM (メインメモリ)	8kB
Flashメモリ (フラッシュメモリ) ※プログラムを保存	256kB
EEPROM	4kB
動作電圧	+5V
電源入力電圧	+7～+12V
出力電圧	+5V、+3.3V
デジタル入出力	54本
PWM出力 (パルス幅変調出力)	15本
アナログ入力	16本
アナログ出力 (DAC)	-
端子の定格電流	20mA/各端子
プログラム 書き込み端子	USB Type-B ICSP
その他 インターフェース	UART I2C SPI

Arduino Mega 2560以外のArduinoボードの仕様については、以下の記事をご覧ください。

Arduino Mega 2560の機能

Arduino Mega 2560外観

ソケット配置(ピン配置)/LED配置

↑クリックすると拡大できます。

①マイコン(プロセッサ)

Arduino Mega 2560のマイコン(プロセッサ)はMicrochip Technology社(アメリカ)の「ATmega2560」が使用されています。

マイコンとは、マイクロコントローラ(またはマイクロコンピュータ)の略称で、人間で言えば「頭脳」に相当する電子機器を制御する上では大変重要な部品です。

また、SRAM、Flashメモリ、EEPROMなどの各種メモリもマイコン内部に組み込まれています。

②USBポート

USBケーブルで、Arduino Mega 2560とPCのUSBポートに接続することで、Arduino Mega 2560-PC間で、通信をすることができます。

PCで作成したプログラム(スケッチ)を、Arduino Mega 2560に書き込んだり、シリアル通信によって、PCからArduino Mega 2560を制御することができます。

また、電源ジャックの代わりに、USBによってArduino Mega 2560に給電することも可能です。

③電源ジャック

ACアダプタ(外形5.5mm、内径2.1mm)を接続して、Arduino Mega 2560に給電することができます。

④リセットボタン

リセットボタンを押すことで、Arduino Mega 2560を再起動することができます。プログラムを最初からやり直したい場合やArduino Mega 2560の動作がおかしい場合などに利用します。

⑤入出力ポート・電源

デジタル入出力・PWM

デジタル入出力・PWM	説明
D0-D53	デジタル入出力(0-53番ピン) HIGH(+5V)/LOW(0V)の入出力
PWM	0～+5Vのアナログ出力 0Vと+5Vを高速で切り替えることで、擬似的にアナログ出力する方式

PWMとシリアル通信はデジタル入出力と共用です。プログラムでどちらを使うか指定できます。

アナログ入力

アナログ入力	説明
A0-A15	アナログ入力(0-15番ピン) 10bitのA/Dコンバータ(約4.8mVごとに1段階変化)

↑PWM出力の関数も解説しています。

通信(コミュニケーション)

通信 (コミュニケーション)		説明
UART (シリアル通信)	TX	シリアルデータ送信
〃	RX	シリアルデータ受信
I2C	SCL	シリアルクロック
〃	SDA	シリアルデータ送受信
SPI	SS	制御対象のデバイス選択
〃	SCK	シリアルクロック
〃	MOSI	マスター⇒スレーブのデータ転送
〃	MISO	スレーブ⇒マスターのデータ転送

電源関連

電源関連	説明
Vin	「③電源ジャック」の電圧が出力、 電源ジャックを使わず「Vin」からの給電も可能
GND	グラウンド・基準点
+5V	+5Vの電圧出力
+3.3V	+3.3Vの電圧出力

その他

その他	説明
GND	グラウンド・基準点
AREF	アナログ入力の基準電圧(0～+5Vを入力) 通常は使用しない
RESET	リセット (「④リセットボタン」と同機能)
IOREF	+5Vの電圧出力

⑥LED

LED	説明
ON	Arduino Mega 2560に給電されると点灯
TX	シリアル通信で送信時に点滅
RX	シリアル通信で受信時に点滅
L	デジタル入出力の13番に接続

Arduino Mega 2560には4つのLED(チップ部品)が搭載されています。「L」のLEDについてもう少し詳しく説明すると、デジタル入出力の13番に接続されており、プログラムで13番ピンをHIGH(5V)にすると、点灯させることができます。

以下の記事では、統合開発環境のArduino IDEを使用して、Arduino Unoのプログラム書き込み方法を紹介しているのですが、サンプルプログラムとして、Arduino Mega 2560と同様に13番ピンに接続されている「L」のLEDを点滅させるプログラムを作成しています。

⑦ICSP

Arduino Mega 2560では、「ATmega2560-15用」と「ATmega16U2用」の2つのICSP端子があります。

ATmega2560-15用

ICSP対応のライタ(プログラム書き込み装置)を接続することで、Arduino Mega 2560のマイコン(プロセッサ)である「ATmega2560-15」に、スケッチ(プログラム)を直接、書き込むことができます。

ただ、通常はUSBポートを経由してスケッチ(プログラム)を書き込めるので、書き込み用途として使用することは、ほとんどないと思います。

その他、SPI端子として使用することもできます。

ATmega16U2用

ICSP対応のライタ(プログラム書き込み装置)を接続することで、Arduino Mega 2560のUSB-シリアル変換ICである「ATmega16U2」に、スケッチ(プログラム)を直接、書き込むことができます。

そのため、一応、USB用のデバイスを作成することが可能なのですが、Arduino IDEでの書き込みができないので、Arduinoボード全般で、ほとんど活用事例がないのが実情です。

Arduino Mega 2560の技術資料の入手方法

Arduino Mega 2560は、回路図などの各種技術資料をArduino公式WEBサイトから入手できます。

Arduino Mega 2560のおすすめ購入先

『Arduino Mega 2560』の購入は、一般的な店頭では扱っていないので、Amazonなどのネット通販がおすすめです。

また、Arduino Unoがメインになってしまいますが、ボードと電子部品を組み合わせたキットも存在します。

これらのキットもネット通販で購入できるので、Arduino Mega 2560と一緒に購入することで、一通りの実験用に使える電子部品をまとめて揃えることが可能です。

以下の記事で電子工作初心者でもわかりやすいように、ランキング形式で紹介しています。ぜひご覧ください。