LTspice-DC伝達関数解析(.tf)の方法
当記事では、LTspiceでのDC伝達関数解析(.tf)の方法について詳しく解説します。
(DC伝達関数解析以外にも直流小信号伝達関数解析などとも言われます。)
DC伝達関数解析は、直流小信号の伝達関数を計算するため、電子回路で入力と出力を定義して、入出力変換比率(出力/入力)、入力インピーダンス、出力インピーダンスを算出します。
なお、その他の解析方法の種類については、以下の記事をご覧ください。
回路図を用意する
まずは、LTspiceでDC伝達関数解析を行うために、回路図を用意しましょう。
以下の記事で作成した回路図を使ってDC伝達関数解析を行います。LTspiceで回路図を作成したことのない方は解析の前に自分で回路図を作ってみることをおすすめします。
また、こちらで作成済みの回路図を用意したので、すぐに解析から始めたい方は以下のリンクをクリックしてダウンロードしてください。
信号源の設定
「LTspice-実践形式で回路図作成の方法を覚えよう!」の記事で信号源の設定をSINE(正弦波)にしているので変更します。
回路図の信号源V1をマウスで「右クリック」して、「Independent Voltage Source」の画面を開きます。
noneを選択します。
(信号源がSINEのままでもDC伝達関数解析ができますが、紛らわしいので変更しておくことをおすすめします。)
信号源V1の近くに記載されていた「SINE(0 2 500)」が消えたことを確認します。
信号源の詳しい設定方法については以下の記事をご覧ください。
DC伝達関数解析(.tf)の設定
メニューバーの「Simulate」-「Edit Simulation Cmd」をクリックして、「Edit Simulation Command」の画面を開きます。
「DC Transfer」を選択し、Output:V(OUTPUT)、Source:V1と記入します。すると、画面の下側に「.tf V(OUTPUT) V1」と表示されるはずです。
これで、出力をV(OUTPUT)、入力を信号源V1として、DC伝達関数解析を行う設定になります。
DC伝達関数解析の詳しい設定方法については以下の記事をご覧ください。
「.tf V(OUTPUT) V1」と.tfのドットコマンドが表れるので、適当な位置に配置します。本記事では、信号源V1の近くに配置しました。
「Edit Simulation Command」の画面から、.tfのドットコマンドを作成しましたが、「Edit Text on the Schematic」でも作成可能です。
ツールバーの「SPICE Directive」をクリックすると、「Edit Text on the Schematic」の画面が表れます。
SPICE directiveが選択されていることを確認して、ドットコマンドの構文(今回の場合は「.tf V(OUTPUT) V1」)を入力、OKをクリックすれば、作成したドットコマンドを配置することができます。
シミュレーション・解析結果
ツールバーの「Run」をクリックすると、シミュレーションが実行されます。シミュレーション時間は回路の規模などにより異なります。
シミュレーション後、自動的に解析結果が出力されます。
入出力変換比率(出力/入力)、入力インピーダンス、出力インピーダンスが算出されていることがわかりますね。
- Transfer function:入出力変換比率(出力/入力)
- 指定したノード名#Input_impedance:入力インピーダンス
- output_impedance_at_指定したノード名:出力インピーダンス
今回、DC伝達関数解析に使用した回路図は以下のリンクからダウンロードできます。