LTspice-回路を階層化(ブロック化)する方法

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当記事では、LTspiceの回路図エディタで作成した回路を階層化(ブロック化)する方法を解説します。

回路の規模が大きくなり複雑になった場合に、一部の回路を階層化(ブロック化)することで回路図の可読性を向上させることができます。

また、一度作成したブロック回路は同じ回路図内での複数利用や別の回路図での利用も可能です。

目次

回路の階層化(ブロック化)とは?

当記事では、以下の記事で作成した「オペアンプ反転増幅回路」のうち、破線赤枠で囲んだ増幅部分の回路を階層化(ブロック化)してみます。

LTspice XVII 回路 ブロック化

イメージとしては、以下のように階層化して階層上位の回路図の中に、階層下位のブロック回路が含まれる形になります。

LTspice XVII 階層上位 階層下位 回路

なお、こちらで回路の階層化(ブロック化)に使用する「オペアンプ反転回路」の回路図を用意したので、すぐに回路の階層化(ブロック化)から始めたい方は以下のリンクをクリックしてダウンロードしてください。

ダウンロード

ブロック回路の作成

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LTspice XVII 赤枠以外 回路削除

「オペアンプ反転回路」の回路図(sample-circuit-lt1028.asc)を開き、赤枠以外の回路を全て削除します。

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LTspice XVII ラベル 配線

ツールバーの「Label Net」をクリックして、上記のようにラベルをそれぞれの端子に配線します。これでブロック回路の完成です。

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LTspice XVII 名前を付けて保存

メニューバーの「File」-「Save As」をクリックして保存します。

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LTspice XVII inverting-amp-block.asc 保存

保存場所や名前は何でも構いませんが、当記事では「C:\Users\ユーザー名\Documents\LTspiceXVII」に「inverting-amp-block.asc」で保存しました。

シンボルの作成

1
LTspice XVII ブロック回路 回路図シンボル 作成

「Hierachy-Open this Sheet's Symbol」をクリックすると、自動的に先程、作成したブロック回路の回路図シンボルを作成します。

2
LTspice XVII 回路図シンボル 自動作成

「このシートのシンボルを見つけることができませんでした。回路図シンボルを自動作成しますか?」と聞かれるので、「はい」をクリックします。

3
LTspice XVII 回路図シンボル 自動作成

このように、回路図シンボルが自動的に作成されます。

4
LTspice XVII inverting-amp-block.asy 保存

また、回路図と同じフォルダに同じ名前で保存されています。今回の場合、「C:\Users\ユーザー名\Documents\LTspiceXVII」に「inverting-amp-block.asy」で保存されています。

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LTspice XVII ピン配置 修正

ただ、このままのピン配置だと配線しづらいので、ピン配置を変更します。

ピン配置の移動などの詳しい説明については、以下の記事をご覧ください。

ピンの配置が終わったら、ツールバーの「Save」で上書き保存しておきます。

ブロック回路の使い方

1
LTspice XVII 赤枠内 回路図削除

「オペアンプ反転回路」の回路図(sample-circuit-lt1028.asc)を開き、赤枠の回路を全て削除します。

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LTspice XVII 電子部品

ツールバーの「Component」をクリックします。

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LTspice XVII inverting-amp-block 選択

「inverting-amp-block.asc」と「inverting-amp-block.asy」が保存しているフォルダ(ディレクトリ)「LTspiceXVII」に変更して、「inverting-amp-block」を選択します。

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LTspice XVII ブロック回路 配置 配線

上記のように、「inverting-amp-block」を配置して、各部品、ラベル、GNDにそれぞれ配線をします。

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LTspice XVII ブロック回路 保存

メニューバーの「File」-「Save As」をクリックして保存します。

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LTspice XVII 回路の階層化(ブロック化) 完了

保存場所や名前は何でも構いませんが、当記事では「C:\Users\ユーザー名\Documents\LTspiceXVII」に「sample-circuit-lt1028-block.asc」で保存しました。

以上で回路の階層化(ブロック化)は完了です。配置したブロック回路は「2倍の反転増幅器」として使用できます。

階層間のパラメータ引き渡し

これまでの作業で、回路を階層化(ブロック化)することができましたが、「2倍の反転増幅器」だとゲインが固定になっているため、他の回路で利用しづらいと思います。

そこで、階層間のパラメータ引き渡しによって、階層上位の回路で簡単にゲインが設定できるようにしてみます。

1
LTspice XVII ブロック回路 編集

ブロック回路を右クリックして、「Navigate/Edit Schematic Block」の画面を開きます。

2
LTspice XVII ブロック回路 開く

「Open Schematic」をクリックします。

3
LTspice XVII ブロック回路 帰還抵抗 変更

ブロック回路の回路図が表示されるので、R2を右クリックして、抵抗の値(Resistance[Ω])を「{gain*100}」に変更します。

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LTspice XVII ブロック回路 任意の増幅率

階層上位の回路に戻り、ブロック回路を右クリックして、「Navigate/Edit Schematic Block」の画面を開きます。

PARAMSに「gain=任意の増幅率」を入力することで、自由にブロック回路のゲインを設定することができます。例えば、「gain=2」とすると、増幅率2倍となります。

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LTspice XVII ブロック回路 保存

これで、階層間のパラメータ引き渡しの設定は終わったので、ブロック回路の保存をしておきます。

6
LTspice XVII 階層上位の回路 保存

同様に階層上位の回路も保存しておきます。

今回、階層化(ブロック化)した回路図は以下のリンクからダウンロードできます。

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