電子工作初心者におすすめのArduinoボードはどれ?
Arduinoには20種類以上のエディション(種類)があり、これからArduinoを使って、電子工作を始める初心者にとって、どれを選んだらいいのか迷ってしまうのではないでしょうか?
結論から言えば、Arduinoで最も代表的かつ基本的なエディションである「Arduino Uno」がおすすめになります。
当記事ではランキング形式で、さらに詳しく電子工作初心者におすすめの「Arduino Uno」の製品について紹介していくので、ぜひ参考にしてみて下さい。
Arduinoとは何か?
Arduinoとは、マイコンボードの「Arduinoボード」と統合開発環境の「Arduino IDE」から構成されたシステムです。
Arduino IDEでは、C言語風の「Arduino言語」を使用してプログラムを作成し、Arduinoボードにプログラムを転送することによって、LEDやセンサなどの電子部品を自由に制御することができます。
マイコンボード自体は昔からあるもので特に目新しくはないのですが、Arduinoが画期的だったのはハードウェア設計情報をネット上で公開し、簡単なルールさえ守れば誰でも自由に用いることができる「オープンハードウェア」(Open source hardware)という形態を取ったことです。
つまり、誰でも公開されている設計図を元に、Arduinoと互換性を持つマイコンボードを作成・拡張・販売することが可能なのです。
(「Arduino」の名称を使って販売するには許可が必要)
これによって、今までのマイコンボードと比べて爆発的に普及して、電子部品や電子工作キットを扱う専門ショップだけでなく、Amazon、楽天、Yahoo!などのネットショップからも手軽に購入できるようになっています。
なお、オープンハードウェアと言っても全てが無料という意味ではなく、ハードウェアのArduinoボードに関しては有料で購入する必要があります。
(ソフトウェアであるArduino IDEは公式WEBサイトからダウンロード可能)
Arduinoボードの種類
「Arduinoとは何か?」で説明した通り、Arduinoを使って電子工作を始めるにはArduinoボードを購入する必要があります。販売されているArduinoボードは、「Arduino正規品」と「Arduino互換品」に大きくわけられます。
また、Arduinoボードと基本的な電子部品がセットになった「スターターキット」も存在します。
Arduino正規品
Arduino正規品は、イタリアのArduino S.R.L社が販売する製品です。当記事、冒頭でも説明しましたが、Arduino正規品のエディション(種類)は20種類以上にも上ります。
その中で、初心者向けのEntry Levelの製品を紹介すると以下の6種類になります。
- ARDUINO UNO REV3
- ARDUINO LEONARDO WITH HEADERS
- ARDUINO 101
- ARDUINO ESPLORA
- ARDUINO MICRO
- ARDUINO NANO
この中でこれから初めてArduinoを扱う電子工作初心者にとって、一番、おすすめなのが、「ARDUINO UNO REV3(Arduino Uno)」になります。
Arduino Unoは最も代表的かつ基本的なエディションなので、供給数が多く入手も容易ですし、シンプルな機能に絞ってあるので、初心者にとっても扱いやすいと思います。
Arduino互換品
Arduinoは「オープンハードウェア」(Open source hardware)なので、Arduinoと互換性のあるボードを開発・販売している企業が存在します。
大きく二つに分類すると、「Arduinoを拡張させた派生ボード」と「Arduinoを完全にコピーしたボード」にわけられます。
「Arduinoを拡張させた派生ボード」はArduinoにはない様々な機能を拡張させているので、魅力的ではあるのですが、これから初めてArduinoを扱う電子工作初心者にとっては、どうしても難易度が高くなってしまいます。
もう一つの「Arduinoを完全にコピーしたボード」は、正規品に比べて「値段」の面で大きなメリットがあります。
Arduino Unoの互換品であれば、機能はすべて同じなうえに、Arduino Unoの正規品と比較して1/3程度のわずか1000円程度で購入できてしまうので、周りにマイコンボードに詳しい人がいる場合は、ぜひ検討してみると良いでしょう。
また、Arduino互換品ではありませんが、Arduino IDE(統合開発環境)でソフト開発できるマイコンボードも存在します。例えば、ESP32開発ボードは、安価でWi-Fi/Bluetoothに対応しています。
Arduinoスターターキット
マイコンボード全般に言えることですが、ArduinoボードはLEDやセンサなどの電子部品を自由に制御するためのものであるので、別途、電子部品や配線用の導線などを購入する必要があります。
ただ、電子工作初心者にとっては初めにどんなものを買えばいいのか迷ってしまいますし、こうした部品を扱っているのはどうしても専門ショップになってしまうので、少し敷居が高いです。
そこで、おすすめなのがArduinoボードと基本的な電子部品がセットになった「Arduinoスターターキット」です。
Arduino正規品を扱うイタリアのArduino S.R.L社でも発売していますが、その他にも専門ショップが正規品のArduinoボードと自前で用意した電子部品を組み合わせたスターターキットやArduino互換品を扱う企業が販売しているスターターキットが存在します。
やはり、これから初めてArduinoを扱う電子工作初心者にとっては、Arduino Uno(互換品含む)と電子部品を組み合わせたスターターキットがおすすめです。
ちなみに、以下のようにArduino S.R.L社のキットは、日本で購入するとなるとかなり割高になります。
Arduinoスターターキットおすすめランキング
ここから、当サイト管理人がおすすめするArduinoボードをランキング形式でご紹介します。
全てArduino Uno(互換品含む)と電子部品を組み合わせたスターターキットになり、Amazon、楽天、Yahoo!などのネットショップからも手軽に購入できるものを選んでみました。
No1『Arduinoをはじめようキット』
一番おすすめしたいのが、電子工作のモジュールを扱う専門ショップ「スイッチサイエンス」が販売している『Arduinoをはじめようキット』になります。
Arduino開発者が自ら執筆した書籍の「Arduinoをはじめよう 第2版」に対応した内容物になっており、書籍と併せて購入することにより、自分で楽しみながらArduino Unoを使用しながら電子工作をすることができるようになっています。
『Arduinoをはじめようキット』内容物
内容物 | 個数 |
---|---|
Arduino Unoマイコンボード | 1 |
USBケーブル | 1 |
ブレッドボード | 1 |
LED 赤 | 1 |
LED 緑 | 1 |
LED 青 | 1 |
タクトスイッチ | 1 |
Cdsセル | 1 |
MOS-FET | 1 |
ダイオード | 1 |
抵抗 270Ω | 1 |
抵抗 330Ω | 1 |
抵抗 1kΩ | 3 |
抵抗 10kΩ | 2 |
堅いジャンパワイヤ (サイズ複数) | 複数 |
柔らかいジャンパワイヤ | 10 |
※「Arduinoをはじめよう 第3版」で追記された「第6章Arduino Leonardo」、「第8章 時計じかけのArduino」には対応していません。
さらに、電子工作初心者にとってうれしい点が、『Arduinoをはじめようキット』に含まれる「Arduino Uno」に「永久保証」が適用されることです。
やはり、電子工作初心者の場合、うっかりミスでボードや電子部品を壊してしまうこともあると思います。
「送料は自己負担になってしまう」など、修理や交換には、ある程度条件はありますが、こうした保証が受けられる方が安心して購入できますよね。
保証の範囲
保証は電子部品やArduinoの常識的な使用によって壊れた場合を範囲とします。
その他、以下のような日常的に発生し得る事故も保証範囲とします(予告無く変更されることがあります)。
◯印の付いたものは保証範囲内、×の付いたものは保証範囲外
◯原因はわからないけど、動かなくなった。
◯普通に使ってたつもりだけどピンソケットが折れてしまった。
◯へんな所に電源をつないじゃったかも知れません。
◯気づいたら、基板の下にドライバーがあって、ショートしました。
◯ブートローダーを書き換えてしまいました。
◯コーヒーをこぼしました。
◯気づいたら錆びて動きません。ちゃんと保管してたはずなのに。
×ドリルで穴を開けました。ノコギリで切りました。
×防水対策をせずに、屋外に設置していました。
×常に水がかかる場所で使っていました。
×壊してみました。
×ACアダプタを接続したまま、無理な力を加えました
スイッチサイエンスの「Arduino Uno永久保証」について
Arduino Uno単体で購入する場合は、以下のリンクになります。
(永久保証が付いているスイッチサイエンスのArduino Unoは「新品の出品」から選択して下さい。)
No2『ELEGOO Uno R3スーパースターターキット』
次に紹介するのが、Arduino互換品を扱う企業「ELEGOO」が販売している『ELEGOO Uno R3スーパースターターキット』になります。ELEGOO UnoはArduino Uno互換品となり、Amazonで購入することができます。
『Arduinoをはじめようキット』と比較して圧倒的なのが、コストパフォーマンスと言えるでしょう。内容物がボードを含めて36点となり、値段も少し安くなります。
「ELEGOO」は中国企業が製造していますが、完全互換品のため正規品との違いはなく、当サイト管理人もELEGOO Unoを購入したところ、動作は全く問題ありませんでした。
また、付属のCD-ROMに、日本語に翻訳した技術資料も収録されており、配線の実装写真も記載されているなど電子工作初心者にも配慮した内容になっています。
ただ、日本語の翻訳が少し変な部分があるので、もう少し日本語翻訳を頑張ってくれると、さらに良いキットになると思います。
ELEGOO Uno(Arduino Uno互換品)単体で購入する場合は、以下のリンクになります。
(スイッチサイエンスのArduino Unoのように永久保証は付きません。)
No3『Kuman UNO R3コンプリート・スターターキット』
最後に紹介するのが、「Kuman」が販売している『Kuman UNO R3コンプリート・スターターキット』になります。Amazonで購入することができます。
No2『ELEGOO Uno R3スーパースターターキット』と同様、コストパフォーマンスが良く、内容物がボードを含めて40点となっております。
日本語マニュアルが用意されているのは嬉しいですが、かなり怪しげな日本語なので英語マニュアルを読む方が良さそうです。
また、品質についてもELEGOOと比較して、若干落ちるようでAmazonレビューでも少し厳しい評価が目立ちます。
No1『Arduinoをはじめようキット』、No2『ELEGOO Uno R3スーパースターターキット』ともに売り切れの場合、購入を検討してみると良いでしょう。
Kuman Uno(Arduino Uno互換品)単体で購入する場合は、以下のリンクになります。
(スイッチサイエンスのArduino Unoのように永久保証は付きません。)
【番外編】Arduinoボードキット用途・目的別おすすめ
こちらでは、番外編として用途・目的別で、おすすめのArduinoボードキットを紹介していきます。
初心者向けキットを卒業した次のステップに、ぜひ検討してみて下さい。
Arduino Uno豪華完全キット『ELEGOO Uno R3 ザ・モストコンプリート・スターターキット』
Arduino Uno(互換品含む)で、豪華完全キットを求めるなら「ELEGOO」が販売している『ELEGOO Uno R3 ザ・モストコンプリート・スターターキット』になります。Amazonで購入することができます。
『ELEGOO Uno R3スーパースターターキット』と比較すると、値段は高くなりますが、内容物がボードを含めて63点にものぼります。
しかし、ここまで来ると、電子工作初心者にとっては十分というよりキャパオーバーになってしまう気もするので、他のマイコンボードを経験している方向けかもしれません。
また、付属のCD-ROMに、日本語に翻訳した技術資料も収録されており、配線の実装写真も記載されているなど電子工作初心者にも配慮した内容になっています。
ただ、日本語の翻訳が少し変な部分があるので、もう少し日本語翻訳を頑張ってくれると、さらに良いキットになると思います。
ELEGOO Uno(Arduino Uno互換品)単体で購入する場合は、以下のリンクになります。
(スイッチサイエンスのArduino Unoのように永久保証は付きません。)
Mega2560豪華完全キット『ELEGOO Mega2560 ザ・モストコンプリート・スターターキット』
Arduino Mega2560(互換品含む)で、豪華完全キットを求めるなら「ELEGOO」が販売している『ELEGOO Mega2560 ザ・モストコンプリート・スターターキット』になります。Amazonで購入することができます。
『ELEGOO Uno R3 ザ・モストコンプリート・スターターキット』の完全上位版で、大まかに言えば、ボードがUno R3からMega2560に入れ替わった形になります。それでいて、価格差はほとんど無かったりします。
Mega2560はUno R3に比べて上位のスペックであり、キットの内容物も多いので、ある程度、電子工作やマイコンボードに経験にある方が購入した方が良いでしょう。
また、付属のCD-ROMに、日本語に翻訳した技術資料も収録されており、配線の実装写真も記載されているなど電子工作初心者にも配慮した内容になっています。
ただ、日本語の翻訳が少し変な部分があるので、もう少し日本語翻訳を頑張ってくれると、さらに良いキットになると思います。
ELEGOO Mega2560(Arduino Mega2560互換品)単体で購入する場合は、以下のリンクになります。
ロボットカーを動かしたい!『ELEGOO Uno R3スマートロボットカー・キット』
Arduinoでロボットカーを動かしたいと思ったなら、『ELEGOO Uno R3スマートロボットカー・キット』がおすすめです。
おすすめランキングで紹介したキットは、どれも初心者向きで、Arduinoボードと電子部品の使い方を覚えることが主目的になってしまいます。
やはり、Arduinoに慣れてきたら、LEDの点滅やセンサーでの値読み取りに満足するだけでなく、何か「動くモノ」にも挑戦したいと思わないでしょうか?
この『ELEGOO Uno R3スマートロボットカー・キット』であれば、ロボットカーに搭載したセンサーにより障害物を回避したり、スマホからBluetoothでコントロールしたりと様々なプログラムでロボットカーを動作させることができるので、初心者向けキットの次のステップにピッタリですよ!
また、付属のCD-ROMに、日本語に翻訳した技術資料も収録されており、配線の実装写真も記載されているなど電子工作初心者にも配慮した内容になっています。
ただ、日本語の翻訳が少し変な部分があるので、もう少し日本語翻訳を頑張ってくれると、さらに良いキットになると思います。
ELEGOO Uno(Arduino Uno互換品)単体で購入する場合は、以下のリンクになります。
(スイッチサイエンスのArduino Unoのように永久保証は付きません。)
電子部品/モジュール
電子工作初心者には、Arduinoボードと電子部品がセットになった「Arduinoスターターキット」がおすすめですが、個別で電子部品やモジュール(特定の電子回路をパッケージ化したもの)を購入したい場合もあると思います。
ニーズがありそうなものを選んで紹介していきますので、ぜひ参考にしてみて下さい。
『サンハヤト ニューブレッドボード SAD-101』
ブレッドボードなら『サンハヤト ニューブレッドボード SAD-101』がおすすめです。 値段もそれほど高くなく、Amazonでも数百円で購入できます。
部品用エリアと電源用エリアがあり、横方向30列に穴が並んでいるコンパクトなタイプなので、使い勝手が非常に良いです。
ジャンパ線
Arduinoボードや電子部品を接続するジャンパ線は「 ジャンパ線 オス-オス型 」と「ジャンプワイヤ」にわけて紹介していきます。
『ELEGOO ジャンパ線 オス-オス型』
ブレッドボードで接続されていない列同士は、両端がどちらもオスの形状になっている『ELEGOO ジャンパ線 オス-オス型』を使って接続します。このようなフレキシブルなジャンパ線の方が使いやすいと思います。
また、Arduinoボードのソケットもブレッドボードと同じメス形状になっているので、同じようにオス-オス型のジャンパ線を使うことができます。
『サンハヤト ジャンプワイヤ SKS-100』
このように、形状が決まっている『サンハヤト ジャンプワイヤ SKS-100』もありますが、ジャンパ線と比べると柔軟性が欠けるため、私自身はそれほど使用しません。
『WayinTop 発光ダイオード(LED)/金属皮膜抵抗セット』
『WayinTop 発光ダイオード(LED)/金属皮膜抵抗セット』は、透明LED、カラーLED、金属皮膜抵抗が一緒に入っています。
LEDを点灯させるには電流制限用として抵抗を接続する必要があるので、まとめてセットになっているのはありがたいです。
『デジタル・マイクロサーボ SG90』
サーボモーターは、受信したパルス幅(PWM)によって特定の角度まで回転する電子部品です。例えば、パルス幅が0.5msecなら0°、1.45msecなら90°、2.4msecなら180°に回転します。
『デジタル・マイクロサーボ SG90』はモーター・ギヤボックス・制御基板が一体となっており、電子工作で非常によく使われるサーボモーターです。
『SODIAL フォトレジスタ(CdSセル)セット』
フォトレジスタはCdSセルとも言い、入射する光の強さに応じて抵抗が減少する電子部品です。
『SODIAL フォトレジスタ(CdSセル)セット』は人の目に近い波長になっているので、光センサとして電子工作に使うには最適です。
『HiLetgo 温度・湿度・気圧センサ BME280』
『HiLetgo 温度・湿度・気圧センサ BME280』 は、I2C/SPI制御で温度・湿度・気圧を測定できるセンサです。
一つのデバイスで 温度・湿度・気圧を同時に測定できるので便利なのですが、その反面、 補正値の取得と補正計算をプログラムで行わなければならないので、かなり面倒です。
(他のデバイスでは、デバイス内で補正計算を行い、補正後の値を出力してくれるタイプもあります)
以下の記事では、BME280を使用して比較的、簡単に測定できるようにサンプルプログラムを紹介しているので、ぜひ参考にしてみて下さい。