【会社比較】大手企業と中小企業の回路設計エンジニアの違い

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大手企業(大企業)と中小企業では、回路設計エンジニアの仕事範囲、キャリア、年収・福利厚生などでどのような違いがあるのか気になりますよね?

もちろん、実際はそれぞれの企業ごとに特色があるので一概には言えないのですが、企業規模によっておおまかな違いがあるのです。

当記事では、「大手企業と中小企業の回路設計エンジニアの違い」について詳しく解説するので、ぜひ参考にしてみて下さい。

当記事は、回路設計・基板設計・PLC制御設計・組み込みソフト開発など10年以上の電気設計経験がある当サイト管理人が執筆しています。

目次

仕事の範囲の違い

電気関連の設計を例に挙げると、大企業では、以下のように、アナログ回路設計、デジタル回路設計、組み込みソフト開発、PLC制御設計など細分化して、エンジニアはある程度決まった分野の設計を担当することが多いです。

電気設計の種類
  • アナログ回路設計
  • デジタル回路設計
  • 組み込みソフト開発
  • PLC制御設計

など

回路設計エンジニアの場合、 アナログ回路設計もしくはデジタル回路設計を専門とするパターンが多くなるでしょう。

なぜ担当分野を細かく分けるかと言うと、その方が人材育成コストが安く、退職などによる人材の流動化に対応できるからです。

また、会社によっては、 設計仕様書作成、外注管理など上流工程の管理業務が主な仕事になり、 実際の回路設計を行うのは、外注先の会社もしくはその大企業の子会社が行う場合があります。

エンジニアとしては、実際に手を動かして実験や試作をした方が面白みがあると思いますが、コスト削減のために、できるだけ外部に依頼するという考えのようです。

一方、中小企業では人員的に大企業ほど余裕がないので、アナログ回路設計、デジタル回路設計、組み込みソフト開発など幅広い分野の設計をほぼ1人で担当することになります。

担当範囲が広範囲に及び、必然的に裁量権も大きくなるので、高い充実感を得られる場合もありますが、その分、仕事の負担が大きかったり、設計とは関係のない仕事もせざるを得ない場合もあります。

キャリアの違い

日本の場合、大企業に新卒で技術職として入社すると、将来の幹部候補生として、一つの部門で専門性を高めるのではなく、一定の年数ごとで複数の部門を経験させる考えが多いです。

つまり、専門職(スペシャリスト)ではなく総合職(ゼネラリスト)が求められており、大学院卒の採用は「博士課程卒」より「修士課程卒」の方が採用されやすい傾向にあります。

結局のところ、「博士課程卒」だと企業にとって専門知識を持ちすぎているため、コントロールしづらいというのが理由のようです。

回路設計に限らず、エンジニア(技術者)として開発・設計の仕事を目指している方にとっては、専門職としてスキルを高めたいと考えている方が多いと思います。

しかし、一般社員レベルでは、回路設計の仕事に集中できたとしても、管理職レベルとなると回路設計の実務からは離れてしまい、様々な部門を異動するパターンが多いので、 生涯エンジニアとして働くのが難しいのが現状です。

中小企業でも、ある程度の規模があれば、新卒採用は大企業と同じように専門職(スペシャリスト)より総合職(ゼネラリスト)を求めている考え方は同じです。
(社員が数人しかいないような零細企業となると、社長になっても設計業務を行っていることもありますが、キャリアパスというより単なる人手不足からです。)

年収・福利厚生の違い

日本において、回路設計エンジニアの年収・福利厚生は、大企業の方が中小企業より年収は高くなる傾向があるのです。

なぜなら、日本では、海外と異なり「就職」ではなく、「就社」という考え方が一般的だからです。

海外では、職種が同じであれば報酬や労働環境は大体、同じになりますが、日本では、会社によって報酬や労働環境が大きく異なるのです。

東証一部上場クラスの大企業になれば、管理職でなくとも最低でも40代で700万円以上、その中でも超優良企業だと1000万円を超えることもあります。

さらに、以下のように法定外の福利厚生も、大企業の方が中小企業より優れていることがほとんどです。

大企業の福利厚生例
  • 年末年始、GW、夏季などの長期休暇(10日前後の休暇)
  • 借り上げ社宅制度
  • 退職金制度
  • 企業年金制度
  • 財形貯蓄制度

など

このように、大企業では法定外の福利厚生が充実しているため、仮に中小企業と額面の年収が同じだったとしても、生涯収入で見ると大きく差がついてしまうのです。

大企業と中小企業のどちらが良いのか?

これまで説明してきた「大企業と中小企業の回路設計者の違い」は、あくまで大まかな違いなので、実際はそれぞれの企業ごとに様々な特徴・特色があり一概にどちらが良いとは言えないのです

例えば、ある大企業の医療機器メーカーでは、製品担当制となっているので、幅広い設計業務を経験できますし、中小企業でも年収・福利厚生が充実しているところもあります。

また、今まで社内で設計仕様書の作成など主に管理業務しか行っていなかった企業では、回路設計のスキルの蓄積が全くできていないことが問題になっています。

当サイト管理人が聞いた話でも、回路設計のスキルがない人が設計仕様書を書いて外注先に丸投げするので、完成品にトラブルが多発してしまうようです。

このように、会社によって回路設計エンジニアに期待している役割は異なるので、回路設計をコア技術と捉え一から丁寧に育成する会社がある一方、単に設計仕様書だけ作成して後は外注に任せるだけで良いと考えている会社もあるのです。

もし、現在、働いている会社が、仕事の範囲・キャリア・年収・福利厚生面などで、どうしても合わないようでしたら、転職エージェントを活用して転職活動するのがおすすめです。

転職エージェントを利用することで、非公開求人に応募できる上に担当のキャリアアドバイザーのアドバイスにより、より自分の希望に合った企業を見つけることができるので、ぜひ興味のある方は相談してみると良いでしょう。

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