プリント基板

海外プリント基板メーカーの比較

当記事では、格安な海外プリント基板メーカー(海外PCBメーカー)の比較して、どのメーカーが最もコスパが良いのか検証してみます。

結論から言えば、中国のプリント基板メーカーであれば、日本の基板メーカーに比べて1/10の料金で注文でき、特に深センの「ELECROW」がコスパが良いのではないかと思います。

海外プリント基板メーカーの比較

当記事では、以下の海外プリント基板メーカーの比較をしてみたいと思います。全て低価格帯のプリント基板市場に強い「中国メーカー」になります。

また、参考として日本メーカーの「P板ドットコム」も比較表に掲載しました。

メーカー名 PCBgogo seed studio/
FusionPCB
ELECROW P板
(参考)
本社所在地 中国・深セン 中国・深セン 中国・深セン 日本・東京
日本語WEBサイト
(一部日本語)
問い合わせの言語 中国語
英語
日本語
中国語
英語
日本語
中国語
英語
日本語

製造仕様

製造仕様で比較すると、やはり国内メーカーのP板は製造できるプリント基板が豊富です。
(表には掲載しきれなかったので一部省略しています。)

海外メーカーは製造仕様を限定することで、低価格を実現しているということもあるのですが、それでも結構な選択肢があると思います。特殊な基板でなければ十分利用できそうです。

メーカー名 PCBgogo seed studio/
FusionPCB
ELECROW P板
(参考)
最小枚数 5枚 5枚 5枚 1枚
材質 FR-4 TG130-140
FR-4 TG150-160
FR-4 TG170-180
アルミ
(熱伝導率:1.0W)
アルミ
(熱伝導率:2.0W)
ロジャース4003C
ロジャース4350B
HDI
(Buried/billnd vias)
FR-4 TG130
アルミ
フレキシブル
FR TG130
FR TG170
FR-4 FR-4
CEM-3
耐トラッキング
(CTI600 FR-4)
高Tg
(Tg180 FR-4)
ハロゲンフリー
(FR-4)
ロジャース
(4350B)
パナソニック電工材
(R1705 FR-4)
その他
(フレキシブル・アルミ)
層数 1層(片面)
2層(両面)
4層
6層
8層
10層
12層
14層
1層(片面)
2層(両面)
4層
6層
8層
1層(片面)
2層(両面)
4層
6層
8層
1層(片面)
2層(両面)
4層
6層
8層
10層
12層
14層以上
板厚 0.2mm
0.4mm
0.6mm
0.8mm
1.0mm
1.2mm
1.6mm
2.0mm
2.4mm
2.8mm
3.2mm
0.6mm
0.8mm
1.0mm
1.2mm
1.6mm
2.0mm
2.5mm
3.0mm
0.6mm
0.8mm
1.0mm
1.2mm
1.6mm
2.0mm
2.5mm
0.15mm
0.2mm
0.3mm
0.4mm
0.6mm
0.8mm
1.0mm
1.2mm
1.6mm
1.8mm
2.0mm
2.4mm
3.0mm
銅箔厚 1oz.(35um)
2oz.(70um)
3oz.(105um)
4oz.(140um)
5oz.(175um)
6oz.(210um)
1oz.(35um)
2oz.(70um)
3oz.(105um)
1oz.(35um)
2oz.(70um)
18um
35um
70um
105um
140um
175um
最小パターン幅
/間隔
3mil(0.0762mm)
4mil(0.1016mm)
5mil(0.1270mm)
6mil(0.1524mm)
8mil(0.2032mm)
4mil(0.1016mm)
5mil(0.1270mm)
6mil(0.1524mm)
6mil(0.1524mm) 0.075mm
0.10mm
0.127mm
0.15mm
0.25mm
0.3mm
0.35mm
最小穴径 0.15mm
0.2mm
0.25mm
0.3mm
0.8mm
1.0mm
0.2mm
0.25mm
0.3mm
0.3mm 0.15mm
0.2mm
0.25mm
0.3mm
レジストカラー






黒(つや消し)
緑(つや消し)
なし







緑(つや消し)







黒(つや消し)






黒(つや消し)
シルクカラー

なし


表面処理 有鉛はんだ
無鉛はんだ
無電解金フラッシュ
OSP
金メッキ
HASL
(有鉛半田レベラー)
HASL Lead Free
(鉛フリー半田レベラー)
ENIG
(無電解ニッケル/
置換金メッキ)
Hard Gold
(電解金メッキ)
OSP
(プリフラックス)
HASL
HASL Lead Free
Immersion gold
OSP
水溶性フラックス
(RoHS対応)
有鉛はんだレベラー
無鉛はんだレベラー
(RoHS対応)
無電解金フラッシュ
(RoHS対応)
端子部のみ電解金めっき
+有鉛はんだレベラー
端子部のみ電解金めっき
+水溶性フラックス
(RoHS対応)
端子部のみ電解金めっき
+無鉛はんだレベラー
(RoHS対応)
リード無し電解金めっき
(RoHS対応)
ワイヤーボンディング向け金めっき
(RoHS対応)
しない
(銅箔のみ・RoHS対応)

料金/日数

次に、以下の製造仕様にした時の料金・日数を比較してみます。

製造仕様
  1. 寸法:100mm x 100m
  2. 枚数:10枚
  3. 材質:FR-4
  4. 層数:2層(両面)
  5. 板厚:1.6mm
  6. 銅箔厚:1oz.(35um)
  7. 最小パターン幅/間隔:6mil(0.1524mm)
  8. 最小穴径:0.3mm
  9. レジストカラー:緑
  10. シルクカラー:白
  11. 表面処理:HASL(有鉛はんだレベラー)

海外メーカーは送料を含めても、約1500~3000円になり、日本メーカーと比較して1/10程度の料金になります。本当に驚異的な安さで、品質をそれほど重視しないような試作用や趣味用として十分利用できそうですね。

そして、その中でも、ELECROで製造してOCS/ANA Expressで発送するのが一番コスパが良さそうです。今回の比較では料金にそれほど差はありませんが、高価な基板になってくると差が開いてくる傾向です。

ただし、ELECROWは他のメーカーに比べて製造仕様が限定されている上、日本語でのサポートはありません。

他のバリエーションの基板を作成する場合や日本語のサポートがいる場合は、PCBgogoやFusionPCBなどの他メーカーを検討したほうが良いと思います。

メーカー名 PCBgogo seed studio/
FusionPCB
ELECROW P板
(参考)
製造料金 550円/1-2日 539円/3日 539円/3-4日 25660円/5日
消費税 2052円
配送料 DHL:
2310円/1-2日
FedEx-IE:
1870円/3-5日
FedEx-IP:
1870円/3-5日
HK post:
1430円/15-30日
China post:
880円/25-40日
EMS:
2200円/10-15日
ePacket:
990円/15-30日
DHL:
2157円/1-3日
FedEx:
2140円/4-8
OCS:
1919円/3-5日
Singapore Post:
1087円/15-30日
ShenZhenDHL:
1852円/2-3日
HongKong DHL:
2453円/3-5日
FedEx:
1866円/3-5日
OCS/ANA Express:
1455円/2-3日
EMS:
1346円/8-13日
Registered Airmail:
1260円/不明
国内宅配便:
無料/1日


※1USドル=110円で計算

海外プリント基板メーカーに依頼する時の注意点

海外プリント基板メーカーは、日本のプリント基板メーカーに比べて、1/10のコストで注文できるのは大変魅力ですが、注意しなければならないこともあります。気をつけるべき注意点をご紹介します。

品質は期待できない

やはり、圧倒的な低コストなことだけあって、日本のプリントメーカー並の品質は期待できないです。

ネット上でも、「シルクの位置がずれていた」、「大きなキズがついていた」、「ホールがつぶれていた」などの情報が出回っているぐらいです。

また、当記事で紹介したのは中国メーカーでしたが、他の国でも似たようなことは起こります。

例えば、私がDigi-Key(本社:アメリカ)やRS Components(本社:イギリス)で注文した際にも、「数が間違っている」、「不良品が混じっている」、「梱包が適切にされていない」などのことがありました。

ただ、あまりにもひどい品質の場合は、こちらからクレームを入れれば、返品や返金などできちんと対応してくれます。

カスタマーサポートがルーズ

海外メーカーから直接注文するとなると、プリント基板が完成しても発送までに時間がかかったり、キャンセルしたのに返金されないなどとカスタマーサポートの面で少しルーズなところがあったりします。

さらに、全ての海外プリント基板メーカーが日本語に対応しているというわけではなく、当記事で紹介した中では、PCBgogoとFusionPCBのみ日本語の問い合わせに対応しています。

しかし、日本語に対応していないメーカーであっても、中学レベルの英語で十分やり取りすることは全く問題ありません。

また、2016年頃からGoogle翻訳のレベルが急激に高くなっているので、こうした翻訳サイトを活用するのもおすすめです。

関税が発生する

海外から日本に輸入した場合は、関税が発生する場合があります。ただ、プリント基板であれば、個人で少額の購入だと関税が発生しないとの情報があるので、さらに詳しく調べて当記事でまとめてみたいと思います。

海外の祝日に当たると納期が伸びる

当記事で、海外基板メーカーの製造日数を比較していますが、あくまで営業日数になります。当然、メーカーの休日や祝日は製造はストップするので納期が伸びることになります。

特に注意したいのが、祝日で連休になることです。中国であれば旧正月(春節)は1週間程度の連休になるので、注文前に確認しておきましょう。

日本からの部品発送は時間がかかる

今回、紹介した海外のプリント基板メーカーは全て部品実装も依頼すことができます。

部品調達は海外メーカー側で手配することが可能ですが、もし手持ちの電子部品を発送する場合は注意が必要です。

まず、日本の輸出通関と海外の輸入通関を通過することになるので、単純にどうしても時間がかかってしまいますし、そもそも禁輸品は送ることができません。

また、発送する部品が貿易管理令の非対象であることの証明書を部品を購入した業者から入手しておく必要もあります。

このように、時間がかかる上に手続きも煩雑になってしまうので、もし部品実装サービスを利用する際は、よく検討してみてください。

プリント基板メーカーであれば、海外であってもメタルマスクの購入は可能なので、部品実装は日本で行うのも良いかもしれません。

支払いはPayPalがおすすめ

日本でAmazonや楽天などでネット通販をしている方は、クレジットカードの情報をそのまま各サイトに登録していることが多いと思います。

ですが、海外のサイトに自分のクレジットカードを登録しておくのは少し不安ですよね。ある海外メーカーのサイトでは、登録したクレジットカードの情報をサイト上から自分で削除できないケースもあるそうです。

もちろん、カスタマーサポートにメールで削除依頼すれば、対応してくれるとは思いますが、何だか危なそうですよね。

そんな時は、クレジットカードで直接支払いのではなく、PayPalを利用して支払うのがおすすめです。

PayPalとは決済システムの一種で、PayPalにメールアドレスやクレジットカード情報を登録しておいて、海外サイトでPayPal支払いを選択すれば、利用した海外サイトには自分のクレジットカード情報が伝わることはありません。

海外サイトの中には、PayPal払いだと余分に手数料を取るところもありますが、ぜひとも安全対策のために支払いをPayPalにした方が良いでしょう。

クレジットカードによってレートや手数料が異なる

支払いでPayPalを選択するにしても、実際の支払いは登録したクレジットカードから行われることがあります。

日本国内であれば、どのクレジットカードを使ったとしても支払う金額は一緒です。例えば、クレジットカードで1万円の支払いをしたら、クレジットカード会社から1万円の請求をされるはずですよね。

しかし、海外サイトでの支払いとなると、海外通貨から日本円へのレート換算や手数料が発生します。しかも、クレジットカードや国際ブランドによって、レートや手数料が異なるのです。

クレジットカード間で結構な差が出てくるので、差が出てくるので、できるだけ海外通販にお得なクレジットカードを選んだ方が良いでしょう。

まとめ

最後に要点をまとめます。

  • コスパを最優先するならELECROW
  • 安さと日本語サポートを期待したいならPCBgogoまたはFusionPCB
  • 品質を最優先するなら国内メーカー

やはり、海外プリント基板メーカーでコスパを最優先させるなら、ELECROWが第一候補と言えそうです。

ただ、残念ながらELECROWでは日本語サポートが不可で製造仕様が限定されるので、場合によってはPCBgogoやFusionPCBなどの他のメーカーを利用することも良いと思います。

今回、紹介した海外プリント基板メーカーを利用するにはアカウント登録が必要です。詳しいアカウント登録の方法については、以下の記事をご覧ください。

テキストのコピーはできません。