LTspice-シミュレーション時間を短縮する方法
当記事では、LTspiceのシミュレーション時間を短縮する方法について詳しく解説します。
LTspiceを使用するPCのスペックを上げる
やはり、LTspiceを使用するPC(パーソナル・コンピュータ)のスペックが優れていた方が、シミュレーション時間を短縮することができます。
今後、当記事にてPCのスペックの違いでどの程度シミュレーション時間に差があるのか検証していく予定です。
最新版のLTspice XVIIを使用する
『LTspice XVIIスタートアップガイド』によると、最新版のLTspice XVIIでは旧版のLTspiceⅣと比べて、26%もシミュレーションが高速化されています。
LTspice XVIIのダウンロード・インストール方法については以下の記事をご覧ください。
ドットコマンド「.ic」(初期状態設定)を使用する
「.ic」を使用して、電圧や電流の初期状態を設定することで、シミュレーション時間を短縮することが可能です。
昇圧/反転DC-DCコンバータのLT3580のデモ回路において、出力電圧が定常状態になった後のリップル電圧を確認するシミュレーション時間を「.ic」で短縮すると以下のようになりました。
回数 | V(ss)初期状態:0V シミュレーション時間 | V(ss)初期状態:2V シミュレーション時間 |
---|---|---|
1回目 | 16.908sec | 16.531sec |
2回目 | 16.654sec | 16.383sec |
3回目 | 16.535sec | 16.386sec |
4回目 | 16.510sec | 16.404sec |
5回目 | 16.626sec | 16.372sec |
平均 | 16.6466sec | 16.4152sec |
V(ss)の初期状態が0Vの時と「.ic」を使ってV(ss)の初期状態を2Vに変更した後のシミュレーション時間を比較すると、平均で0.2314秒短縮されたのがわかります。
ドットコマンド「.ic」(初期状態設定)の詳しい解説は以下の記事をご覧ください。
ドットコマンド「.save」(保存データ指定)を使用する
「.save」を使用して、保存データを指定することで、シミュレーション時間を短縮することが可能です。
昇圧/反転DC-DCコンバータのLT3580のデモ回路において、「.save」を使って保存データを指定してシミュレーション時間を短縮すると以下のようになりました。
回数 | シミュレーション時間 (全ての電圧・電流を保存) | シミュレーション時間 (電圧V(ss)のみ保存) |
---|---|---|
1回目 | 16.908sec | 15.449sec |
2回目 | 16.654sec | 15.422sec |
3回目 | 16.535sec | 15.427sec |
4回目 | 16.510sec | 15.301sec |
5回目 | 16.626sec | 15.411sec |
平均 | 16.6466sec | 15.4020sec |
全ての電圧・電流を保存した時と「.save」を使って電圧V(ss)のみ保存した時のシミュレーション時間を比較すると、平均で1.2446秒短縮されたのがわかります。
ドットコマンド「.save」(保存データ指定)の詳しい解説は以下の記事をご覧ください。