KiCad-フットプリントの作成方法

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当記事では、KiCadにおけるフットプリントの作成方法について詳しく解説します。

「KiCad標準ライブラリから流用して作成する方法」や「自分で初めから作成する方法」に加えて、無料で利用できるフットプリント作成サービスもご紹介します。

なお、Pcbnewでの基板レイアウト方法の詳しい解説については、以下の記事をご覧ください。

目次

フットプリントを作成する前の準備

KiCadのフットプリントエディタに標準で用意されているライブラリは、編集することができません。

そのため、フットプリントを作成する前の準備として、適当なフォルダに新規ライブラリを作成しておきます。

当記事では、「C:\Users\USER\Documents\KiCad\Lib\My_Footprint」に新規ライブラリ「My_Footprint」を作成します。

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FootprintEditor(フットプリントエディタ―)を開くには、適当なプロジェクトを開いておく必要があります。

KiCad フットプリントエディター 新規プロジェクト作成

当記事では、「ファイル」-「新規」-「プロジェクト」をクリックして、新規でプロジェクトを作成します。

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KiCad 新規プロジェクト作成 保存

当記事では、ファイル名「test」のプロジェクトを作成します。ファイル名を入力後、「保存」をクリックします。

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KiCad フットプリントエディタ

「フットプリントエディタ」をクリックします。
(プロジェクトが開いている状態で、「フットプリントエディタ」をクリックできるようになります。)

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KiCad フットプリントエディタ 新規ライブラリー

「ファイル」-「新規ライブラリー」をクリックします。

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KiCad 新規ライブラリ My_Footprint.pretty作成

新規ライブラリーの名前を入力して、「保存」をクリックします。当記事では、新規ライブラリーの名前を「My_Footprint.pretty」にして、あらかじめ作成しておいたフォルダ「My_Footprint」に保存しました。

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KiCad ライブラリーテーブルへ追加 グローバル

ライブラリーテーブルへ追加は「グローバル」を選択します。汎用部品のライブラリであれば、どのプロジェクトからでもアクセスできる「グローバル」がおすすめです。

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KiCad 新規ライブラリ フォルダ生成

新規ライブラリーを保存したフォルダを確認すると、新規ライブラリのフォルダが生成されているはずです。

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また、新規ライブラリーが正しく追加されているのか念のため確認してみましょう。

KiCad フットプリントライブラリーを管理

フットプリントエディタ―で、「設定」-「フットプリントライブラリ―を管理」をクリックします。

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KiCad 新規ライブラリ 追加確認

新規ライブラリの「My_Footprint」が追加されていることが確認できました。

KiCad標準ライブラリから流用して作成

KiCad標準ライブラリには汎用電子部品のフットプリントが大量に格納されているので、ここから流用すれば簡単にフットプリントを作成することができます。

当記事では、2回路入りオペアンプの「TL082」のフットプリントを、ライブラリ「Package_SO」に格納されている「SOIC-8_3.9x4.9mm_P1.27mm」から流量して作成してみたいと思います。

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TL082には複数のパッケージが存在します。当記事では、以下のようにTL082CD(SOICパッケージ、8ピン)のフットプリントを作成してみます。

KiCad SOICパッケージ 8ピン フットパターン

KiCad標準ライブラリで目的のフットパターンを探すには、フットプリントエディタの左上にある「フィルター」に「SOIC」などのパッケージ名を入力して絞り込むと探しやすいと思います。

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TL082CD(SOICパッケージ、8ピン)のフットプリントだと、「SOIC-8_3.9x4.9mm_P1.27mm」がそのまま使用できそうです。

KiCad SOIC-8_3.9x4.9mm_P1.27mm

フットプリントエディタで、ライブラリ「Package_SO」の中に格納されている「SOIC-8_3.9x4.9mm_P1.27mm」をダブルクリックして開きます。

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KiCad SOIC-8_3.9x4.9mm_P1.27mm 名前を付けて保存

「SOIC-8_3.9x4.9mm_P1.27mm」をマウスで右クリックして、「名前を付けて保存」を選択します。

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KiCad My_Footprint 保存

「フットプリントを作成する前の準備」で作成したライブラリ「My_Footprint」を選択して保存します。

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KiCad SOIC-8_3.9x4.9mm_P1.27mm 編集

「SOIC-8_3.9x4.9mm_P1.27mm」が「My_Footprint」にコピー、保存されます。これで、編集することが可能になります。

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KiCad フットプリントのプロパティ

「フットプリントのプロパティ」をクリックします。

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KiCad フットプリント完成

「フットプリントのプロパティ」の画面で、リファレンスや定数などを編集することができます。

ただ、定数には「SOIC-8_3.9x4.9mm_P1.27mm」と必要な情報はすでに入力されているので、このままにししておきます。これで、TL082CD(SOICパッケージ、8ピン)のフットプリントが完成しました。

初めから自分で作成

フットプリントを、自分で初めから作成する方法をご紹介します。当記事では、「KiCad標準ライブラリから流用して作成」と同様に、TL082CD(SOICパッケージ、8ピン)のフットプリントを作成します。

フットプリントウィザードを使用した新規フットプリント作成

フットプリントエディタのフットプリントウィザードを思料することで、簡単に新規フットプリントを作成することができます。

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KiCad フットプリントウィザードを使用した新しいフットプリント

フットプリントエディターで、「フットプリントウィザードを使用した新しいフットプリント」をクリックします。

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KiCad フットプリント作成ツール SOIC

フットプリント作成ツールで、「SOIC」を選択します。

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KiCad SOICパッケージ 8ピン フットパターン
KiCad フットプリントウィザード 入力

TL082CD(SOICパッケージ、8ピン)のフットプリントの寸法をデータシートから確認して、フットプリントウィザードの定数を入力します。

フットプリントウィザード Body
KiCad フットプリントウィザード シルク設定

当記事では行いませんが、フットプリントウィザードで「Body」を選択すると、Body(デバイス外形)のシルク設定を行うことができます。

例えば、「silk screen inside」にチェックを入れると、Bodyが内側になります。

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KiCad エディターへフットプリントをエクスポート

定数の入力が終わったら、「エディターへフットプリントをエクスポート」をクリックします。

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KiCad フットプリントのプロパティ

「フットプリントのプロパティ」をクリックします。

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KiCad フットプリントのプロパティ 編集

「フットプリントのプロパティ」の画面で、リファレンスや定数などを編集することができます。

ただ、定数には「SOIC-8」と必要な情報はすでに入力されているので、このままにししておきます。

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KiCad フットプリント 保存

「ファイル」-「保存」をクリックします。

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KiCad My_Footprint 保存

「フットプリントを作成する前の準備」で作成したライブラリ「My_Footprint」を選択して保存します。

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KiCad TL082CD(SOICパッケージ、8ピン) フットプリント完成

「SOIC-8」が「My_Footprint」に保存されます。これで、TL082CD(SOICパッケージ、8ピン)のフットプリントが完成しました。

通常の新規フットプリント作成

通常の方法で、新規フットプリントを作成する方法を解説します。「配列を作成」を使用すると、より容易に作成できます。

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KiCad 新規フットプリント

フットプリントエディタ―で、「新規フットプリント」をクリックします。

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KiCad フットプリント名 入力

フットプリント名を入力して、「OK」をクリックします。当記事では、フットプリント名を「SOIC-8_2」にします。

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KiCad フットプリントエディター グリッド 0.1000mm

グリッドを「0.1000mm」にします。

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KiCad フットプリントエディター パッド追加

「パッドを追加」をクリックして、パッドを適当な位置にマウスの左クリックで配置します。

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KiCad フットプリントエディター パッド プロパティ

配置したパッドをマウスで右クリックして「プロパティ」を選択します。

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KiCad SOICパッケージ 8ピン フットプリント
KiCad パッドプロパティ

TL082CD(SOICパッケージ、8ピン)のフットプリントの寸法をデータシートから確認して、パッドプロパティで数値などを設定します。

SOICパッケージ、8ピンのフットプリントなので、パッド形状:SMD、形状:四角、サイズX:1.55、サイズY:0.6を選択・入力します。

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KiCad パッド形状 変更

上記のように、パッド形状が変更されます。

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KiCad パッド 配列を作成

パッドを右クリックして、「配列を作成」を選択します。

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KiCad SOICパッケージ 8ピン フットプリント
KiCad 配列を作成 グリッド配列

TL082CD(SOICパッケージ、8ピン)のフットプリントの寸法をデータシートから確認して、グリッド配列に必要な数値などを入力します。

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KiCad 自動 パッド配置

上記のように、自動的にパッドが配列されます。「配列を作成」を使用すれば、容易に多数のパッドを配置することができることがわかりますね。

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KiCad リファレンス 定数 移動

パッドと文字が重なっているので、リファレンスと定数の文字列を移動させます。文字をマウスで右クリックして、「移動」を選択します。

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KiCad パッド上側 移動

それぞれ好みの場所で構いませんが、文字をパッドの上側に移動させます。

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KiCad アンカー移動 フットプリントのアンカー(基準点)を配置

アンカー(基準点)をパッドの中心に移動させます。「フットプリントのアンカー(基準点)を配置」をクリックします。

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KiCad アンカー位置 変更

マウスでパッドの中心をクリックして、アンカーの位置を変更します。

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KiCad シルク 図形ラインを追加

最後にデバイス外形のシルクを描くため、「図形ラインを追加」をクリックします。

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KiCad 線 描写

クリックすると、線の描写が開始され、再度クリックすると配線を折り曲げることができます。

ダブルクリックすることで線の描写を終了させることができます。

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KiCad フットプリント 保存

「ファイル」-「保存」をクリックします。

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KiCad My_Footprint 保存

「フットプリントを作成する前の準備」で作成したライブラリ「My_Footprint」を選択して保存します。

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KiCad SOICパッケージ 8ピン フットプリント完成

「SOIC-8_2」が「My_Footprint」に保存されます。これで、TL082CD(SOICパッケージ、8ピン)のフットプリントが完成しました。

無料で利用できるフットプリント作成サービス

電子部品の販売で有名なRSコンポーネンツでは、KiCad用の「PCB Part Library」を提供しており、無料で回路図シンボルやフットプリントを利用することができます。

用意されていない場合は、無料でリクエストすることも可能なので、ぜひ利用してみることをおすすめします。

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