スキルアップは可能!?回路設計エンジニアに必要な資格とは?
回路設計に関する資格を取ることで、スキルアップや転職に役立てられればと考えていませんか?
結論から言えば、回路設計エンジニアが必ず取得しなければならない必要な資格はありません。
むしろ、回路設計の実務経験に関連のない資格ばかり取り、資格コレクターのようになってしまうと、結果的に評価が下がってしまいます。
当記事では、回路設計エンジニアに資格が不要な理由を説明し、スキルアップのために何をすれば良いのか紹介していくので、ぜひ参考にしてみて下さい。
回路設計エンジニアに資格が不要な4つの理由
回路設計エンジニアに資格が不要な理由として、以下のようなものが挙げられます。
- 回路設計に必要な業務独占資格はない
- 回路設計に関連する資格は能力認定資格
- 転職に有利な資格はない
- 転職に必要なのは学歴
回路設計に必要な業務独占資格はない
業務独占資格とは、その資格を保有することにより、特定の業務を独占的に行うことができる資格のことを言います。
しかし、回路設計の仕事で必要な業務独占資格は存在しないので、ほとんどの回路設計エンジニアは電気に関する資格を持っていません。
なお、電気系の業務独占資格と言えば、電気主任技術者や電気工事士が有名ですが、これらの資格が有効なのは、電力会社などの強電系の分野になります。
回路設計に関連する資格は能力認定資格
回路設計に関連する資格は、全て能力認定資格になるので、合格しても知識・能力の証明ができるだけです。
例えば、「EMC設計技術者資格」、「CAD利用技術者試験」、「情報処理技術者試験」などがありますが、電気主任技術者や電気工事士の資格に比べて知名度が低いので、知識・能力の証明として有効なのか疑問に思います。
資格取得にはお金も時間もかかるので、自己啓発・自己研磨のための勉強の延長上で資格を取るぐらいに考えたほうが良いでしょう。
転職に有利な資格はない
回路設計エンジニアの転職に有利になる資格は、ほぼ存在しません。
転職エージェントのdodaによると、回路設計エンジニアが保有している資格は以下の通りになります。
回路設計エンジニアの保有資格
順位 | 資格名 | 割合 |
---|---|---|
1 | 第2種電気工事士 | 7% |
2 | 電気主任技術者第3種 | 2% |
2 | 基本情報技術者試験 | 2% |
2 | 第1種電気工事士 | 2% |
2 | 危険物取扱者乙種 第4類 | 2% |
*1: 自動車、自動二輪免許は除く
引用: doda
つまり、93%の回路設計エンジニアは、特に電気系の資格を持っていなくとも、問題なく転職ができているのです。
むしろ、大事なのは資格よりも回路設計の実務経験です。当サイト管理人が転職活動をしている時も、保有していたアマチュア無線技士3級の資格は、実務経験と関係がなかったので履歴書には記載しませんでした。
転職に必要なのは学歴
回路設計エンジニアの転職に必要なのは、資格ではなく学歴が重要になっていきます。
なぜなら、回路設計エンジニアの転職には、工業高専卒または大卒の学歴が足切りラインに設定されていることが多いからです。
特に年収・福利厚生が優れている大手メーカーで、そのような傾向が高いので、学歴が基準に達していない方は、職歴や実務経験などで、より自分のスキルをアピールする必要があります。
回路設計のスキルを上げる方法とは?
回路設計のスキルを上げる方法として、以下のようなものが挙げられます。
- 本業の仕事に集中する
- 専門書籍やセミナーで勉強する
- 英語の勉強をする
本業の仕事に集中する
やはり、電気系の資格を取得することよりも、本業の回路設計の仕事に集中することが一番重要です。
新卒で就職した場合、入社時に導入研修などで回路設計の基礎を学ぶこともありますが、あくまで実際に仕事をしながら訓練するOJTが主体になります。
例えば、当サイト管理人が、今まで回路設計の仕事をしていた中で不思議に思うのが、新人にも関わらず、上司や先輩の指導・アドバイスよりも、常に自分の考えを優先させる人がいることでした。
もちろん、上司や先輩の言うことを全て盲信するのは問題なのですが、回路設計の仕事を「趣味の電子工作」として捉えて、「自分が楽しければ良い!」と考えているようでは、誰も教えてくれなくなってしまいます。
当然ながら、このような人たちは、回路設計のスキルは、ほとんど向上せず、最終的に営業部などの別の部署に配置転換されるパターンが多かったです。
あくまで仕事なので、回路設計エンジニアになれたとしも、十分な成果を出さなければ、ずっと同じ仕事を続けられる保証はありません。
まずは、与えられた回路設計の仕事を通して、他社でも通用する回路設計の実務経験・スキルを手に入れることを目指しましょう。
専門書籍やセミナーで勉強する
回路設計エンジニアに限らず全てのエンジニアは、日々の仕事をこなしながら、自己学習を続けるのが大切です。
まともな会社であれば、専門書籍の購入補助や有料セミナーの参加などの支援制度があるはずなので、ぜひ利用すると良いでしょう。
(当サイト管理人の場合、手元に置いておきたかったので、専門書籍は自費で購入していました。)
なお、当サイトでは、電子回路に関する情報を、初心者でもわかりやすく解説しているので、ぜひ勉強のため活用して頂けると嬉しいです。
英語の勉強をする
一見、回路設計の仕事とは関係なさそうですが、電子回路の勉強以外に、英語の勉強をするのがおすすめです。
オペアンプやFPGAなど半導体の電子部品メーカーは、外資系企業が中心なので、英語のデータシートを読めた方が良いです。
また、日系企業だと、TOEICのスコアで英語力を判断することが多く、社内の昇進基準になっていたり、海外出張・海外駐在の判断材料に使われることがあります。
そのため、TOEICのスコアアップ目的の勉強になってはいけませんが、英語の勉強の成果を確認する意味で定期的にTOEICを受けたほうが良いでしょう。
さらに、下手に電気系の資格を取るより、TOEICで高いスコアを持っていた方が、転職活動で有利になります。
そもそも、回路設計エンジニアで英語が得意な方は少ないので、TOEIC600程度のスコアでも十分目立ちます。
TOEIC800以上のスコアであれば、日系企業はもちろん外資系企業でも働けるレベルになるので、それだけ魅力的な仕事のチャンスが増えるはずです。
社内のスキルアップに限界を感じたら取るべき行動とは?
通常、学校で勉強しただけの知識だけでは実務レベルの回路設計には達していないので、入社した会社で研修やOJTを通して、回路設計のスキルを磨いていくことになります。
しかし、会社によって回路設計エンジニアに期待している役割は異なるので、回路設計をコア技術と捉え一から丁寧に育成する会社がある一方、単に設計仕様書だけ作成して後は外注に任せるだけで良いと考えている会社もあります。
会社の方向性と自分が希望しているキャリアが異なっていたとしたら、社内でのスキルアップに限界を感じてしまうでしょう。
もし、入社した会社が仕事内容・待遇面などで、どうしても合わないようでしたら、転職エージェントを活用して転職活動するのがおすすめです。
転職エージェントを利用することで、非公開求人に応募できる上に担当のキャリアアドバイザーのアドバイスにより、より自分の希望に合った企業を見つけることができるので、ぜひ興味のある方は相談してみると良いでしょう。