Arduinoボード8種類を徹底比較

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当記事では、様々な種類のArduinoボードを比較して、どれが自分にとって最適なのかわかりやすく解説します。

また、他サイトの記事では生産中止または日本で入手困難なArduinoボードまで掲載している事が多いですが、当記事では日本で入手しやすい8種類に絞って紹介していきます。

目次

Entry Levelシリーズ(入門)

仕様Arduino UnoArduino LeonardoArduino MicroArduino NanoArduino Nano Every
基板サイズ74.9×53.3mm74.9×53.3mm48.2×17.8mm43.2×17.8mm43.2×17.8mm
マイコンチップ/
動作周波数
(プロセッサ)
ATmega328P/
16MHz
ATmega32U4/
16MHz
ATmega32U4/
16MHz
ATmega328P/
16MHz
ATMega4809/
20MHz
SRAM
(メインメモリ)
2kB2.5kB2.5kB2kB6kB
Flashメモリ
(フラッシュメモリ)
※プログラムを保存
32kB32kB32kB32kB48kB
EEPROM1kB1kB1kB1kB256byte
動作電圧+5V+5V+5V+5V+5V
電源入力電圧+7~+12V+7~+12V+7~+12V+7~+12V+7~+12V
出力電圧+5V、+3.3V+5V、+3.3V+5V、+3.3V+5V、+3.3V+5V、+3.3V
デジタル入出力20本20本24本20本20本
PWM出力
(パルス幅変調出力)
6本7本7本6本5本
アナログ入力6本12本12本8本8本
アナログ出力
(DAC)
-----
端子の定格電流40mA/各端子40mA/各端子40mA/各端子40mA/各端子20mA/各端子
プログラム
書き込み端子
USB Type-B
ICSP
Micro USB Type-B
ICSP
Micro USB Type-B
ICSP
Mini USB Type-B
ICSP
Micro USB Type-B
その他
インターフェース
UART
I2C
SPI
UART
I2C
SPI
UART
I2C
SPI
UART
I2C
SPI
UART
I2C
SPI

「Entry Level」は入門用で、電子工作初心者・マイコン初心者に最適なArduinoボードです。ぜひ初めての方に使用してほしい「Arduino Uno」から、小さなスペースでも使える「Arduino Micro」、「Arduino Nano」などの様々なラインナップがあります。

Arduinoボードの詳しい電源供給方法は以下の記事をご覧ください。

Arduino Uno

Entry Levelの中でこれから初めてArduinoを扱う電子工作初心者にとって、一番、おすすめなのが、『ARDUINO UNO REV3(Arduino Uno)』になります。

Arduino Unoは最も代表的かつ基本的なエディションなので、供給数が多く入手も容易ですし、シンプルな機能に絞ってあるので、初心者にとっても扱いやすいと思います。

以下の記事ではArduino Unoの仕様・機能をより詳細に説明しています。ぜひご覧ください。

Arduino Leonardo

Arduino Leonardo』は、Arduino Unoに搭載しているマイコンを「ATmega328P」から「ATmega32U4」に変えたタイプで、USB-シリアルを変換するチップが不要になっています。

加えて、Arduino Unoに比べて、デジタル入出力ピンとアナログ入力ピンが増え、USB端子はMicro-Bに変更されています。それ以外は、Arduino Unoとほぼ同じ仕様・機能になります。

また、「ピンソケット、ICSPピンヘッダ、DCジャック」が実装されていないエディションも販売されています。

以下の記事ではArduino Leonardoの仕様・機能をより詳細に説明しています。ぜひご覧ください。

Arduino Micro

Arduino Micro』は、Arduino Unoに比べて小さくなっており、ピンヘッダが実装されているので、そのままブレッドボードに差し込んで利用することもできます。
(ピンヘッダが実装されていないタイプも発売されています。)

端子は「デジタル入出力⇒アナログ入力」、「アナログ入力⇒デジタル入出力」に、それぞれ切り替えることができるので、デジタル入出力は最大24本、アナログ入力は最大12本使うことができます。

以下の記事ではArduino Microの仕様・機能をより詳細に説明しています。ぜひご覧ください。

Arduino Nano

Arduino Nano』は、Arduino Microをさらに小さくしたエディションで、ピンヘッダが実装されているので、Arduino Microと同様に、そのままブレッドボードに差し込んで利用することもできます。

また、機能的にはArduino Unoとほぼ同じで、アナログ入力がArduino Unoより2本多い8本になっています。

ただし、デジタル入出力とアナログ入力の端子は、Arduino Microのように切り替えることはできません。加えて、USBポートが、あまり使われなくなりつつある「Mini USB Type-B」になっているので、ご注意下さい。

以下の記事ではArduino Nanoの仕様・機能をより詳細に説明しています。ぜひご覧ください。

Arduino Nano Every

Arduino Nano Every』は、旧製品のArduino Nanoと同じ形状・フットプリントで、高性能・低価格になったエディションです。

旧製品のArduino Nanoと比較して、マイコンの動作周波数、SRAM、Flashメモリの容量が増えており、USBポートが、よく使われている「Mini USB Type-B」に変更されています。

一方、EEPROMの容量が減少したり、PWM出力の本数が5本に減っていたりと多少、改悪されている部分があります。

また、ほとんど使う頻度はないと思いますが、ICSP端子も削除されています。

以下の記事ではArduino Nano Everyの仕様・機能をより詳細に説明しています。ぜひご覧ください。

Enhanced Featuresシリーズ(機能強化)

仕様Arduino Mega 2560Arduino Due
基板サイズ101.52×53.3mm101.6×53.3mm
マイコンチップ/
動作周波数
(プロセッサ)
ATmega2560/
16MHz
AT91SAM3X8E/
84MHz
SRAM
(メインメモリ)
8kB96kB
Flashメモリ
(フラッシュメモリ)
※プログラムを保存
256kB512kB
EEPROM4kB-
動作電圧+5V+3.3V
電源入力電圧+7~+12V+7~+12V
出力電圧+5V、+3.3V+5V、+3.3V
デジタル入出力54本54本
PWM出力
(パルス幅変調出力)
15本12本
アナログ入力16本12本
アナログ出力
(DAC)
-2本
端子の定格電流20mA/各端子130mA/全端子
プログラム
書き込み端子
USB Type-B
ICSP
Micro USB Type-B
Micro USB Type-AB
ICSP
その他
インターフェース
UART
I2C
SPI
UART
I2C
SPI
CAN
USB

「Enhanced Features」は「Entry Level」から、さらに機能強化したArduinoボードになります。マイコンの処理が速く、メモリやI/Oが増強されているので、一つのArduinoボードにたくさんのセンサーやモーターを接続したい場合に最適です。

Arduinoボードの詳しい電源供給方法は以下の記事をご覧ください。

Arduino Mega 2560

Arduino Mega 2560』はArduino UnoのメモリやI/Oを増量したエディションです。たくさん入出力端子を使いたい場合は、こちらがおすすめです。

以下の記事ではArduino Mega 2560の仕様・機能をより詳細に説明しています。ぜひご覧ください。

Arduino Due

Arduino Due』はマイコンに32 bitのARM coreを搭載しており、クロック周波数が84MHzと高くArduino Mega 2560と比べて、高速処理が可能です。

ただし、他のArduinoボードと違って動作電圧が+3.3Vとなっており、間違えて入力端子に+5Vを加えてしまうと壊れてしまう可能性があるので注意が必要です。

以下の記事ではArduino Dueの仕様・機能をより詳細に説明しています。ぜひご覧ください。

Internet of Thingsシリーズ(IoT)

仕様Arduino Industrial 101
基板サイズ42×51mm
マイコンチップ/
動作周波数
(プロセッサ)
ATmega32u4/
16MHz
SRAM
(メインメモリ)
2.5kB
Flashメモリ
(フラッシュメモリ)
※プログラムを保存
32kB
EEPROM1kB
動作電圧+5V
電源入力電圧+5V
出力電圧+5V、+3.3V
デジタル入出力3本
PWM出力
(パルス幅変調出力)
2本
アナログ入力4本
アナログ出力
(DAC)
-
端子の定格電流40mA/各端子
プログラム
書き込み端子
Micro USB Type-B
ICSP
その他
インターフェース
UART
I2C
SPI
IEEE 802.11 b/g/n
Ethernet
USB

「Internet of Things」は、Wi-Fi(無線LAN)機能を搭載したArduinoボードになります。しかし、日本の電波法(TEEC)に準拠していないエディションが多く、現在確認した限りでは、「Arduino Industrial 101」が日本国内でも問題なく無線LAN機能を使用できるエディションになります。

なお、Arduinoボードではありませんが、「ESP32開発ボード」はWi-Fi/Bluetoothに対応しており、Arduino IDEでソフト開発が可能です。詳しくは以下の記事をご覧ください。

Arduino Industrial 101

Arduino Industrial 101』は、メインのマイコンに加えて、Wi-Fi(無線LAN)付きのLinuxボードを搭載することで、ネットワークに接続できるようにしたエディションです。すでに生産中止になった「Arduino Yún」に近い機能だと言えます。

そのため、インターネット経由でArduino Industrial 101を遠隔制御して、各種センセーからの値を受信したりすることができます。

また、メーカーが工事設計認証(技適認証)を取得しているため、日本国内でも問題なく無線LAN機能を使用することが可能です。

※現在、生産中止になっているようなので、入手は市場に出回っている物のみになります。

生産中止のエディション

Arduinoボードにはすでに生産中止になってしまったエディションも数多く存在します。書籍や他サイトでよく紹介されているエディションで生産中止になり、入手できなくなったものをまとめてみました。

Arduino 101

『Arduino 101(またはGenuino 101)』は、アメリカのArduino LLCがIntel(インテル)と共同設計した「Intel Curie」を搭載したArduinoボードです。

形状はArduino Unoと同じ(基板サイズは違う)で、BLE(Bluetooth Low Energy)、3軸加速度センサ、3軸ジャイロセンサが標準で搭載しています。また、クロック周波数の高いIntel Curieを搭載したことで、Arduino Unoより高速処理が可能となっています。

しかし、2017年9月にIntelがIntel Curieの生産中止を発表したため、それに伴い現在、入手できるArduino 101は、市場に出回っている分のみとなります。

Arduino Yún

『Arduino Yún』は、メインのマイコンに加えて、Wi-Fi(無線LAN)付きのLinuxボードを搭載することで、ネットワークに接続できるようにしたエディションです。

当初は、工事設計認証(技適認証)を取得していなかったため、有線のみしか使用できませんでしたが、後にメーカーが工事設計認証を取得して、無線LAN機能が使えるようになりました。

しかし、現在は生産中止になったため、入手することはできません。実質的な後続機として、「Arduino Industrial 101」が販売されているので、こちらを使うようにしましょう。

Wearableシリーズ(身につける)

『Wearable』は、ボードの形状が円形になっており、「身につける」ことを意識したArduinoボードです。複数のエディションがありますが、Arduino公式WEBサイトから情報が削除されており、入手することはできないようです。

おすすめのArduinoボードはどれ?

当記事で紹介したArduinoボードを用途別のおすすめをまとめてみました。

おすすめArduinoボード

Arduino Unoは、互換品やすぐに使えるように電子部品と組み合わせたキットも存在します。

電子工作初心者にとっては、どれを選べばいいのか迷ってしまうかもしれませんが、以下の記事で初心者でもわかりやすいように、ランキング形式でおすすめのArduino Unoを紹介しています。ぜひご覧ください。

また、以下の記事で、安価でWi-Fi/Bluetoothに対応している「ESP32開発ボード」についてもまとめてみました。

このボードは、Arduinoボードではありませんが、Arduino IDEでソフト開発ができるため、電子工作でIoTを実現したい方におすすめです。

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