コンデンサ容量値・定格電圧の読み方

当記事では、コンデンサの容量値・定格電圧の読み方について詳しく解説します。
E系列
コンデンサの容量値は、キリの良い数字ではなく、以下のようにE系列に沿った容量値が決められています。
E系列のEは指数(Exponent)のことで、E12系列だと$\sqrt[12]{10^n}$のnに0~11の数字(12個の数字)を入れていくと完成します。
誤差(許容差)が±10[%]のコンデンサの場合、E12系列の値を使用すれば、100[pF]は90~110[pF]、120[pF]は108~132[pF]、150[pF]は135~165[pF]となり、誤差の範囲が重なるようになっています。
抵抗では、E12系列から使われることが多いのですが、コンデンサの場合、E3系列またはE6系列がよく使われています。
E3/E6/E12/E24系列
| E3 ±40% $\sqrt[3]{10^n}$ | E6 ±20% $\sqrt[6]{10^n}$ | E12 ±10% $\sqrt[12]{10^n}$ | E24 ±5% $\sqrt[24]{10^n}$ |
|---|---|---|---|
| 1.0 | 1.0 | 1.0 | 1.0 |
| 1.1 | |||
| 1.2 | 1.2 | ||
| 1.3 | |||
| 1.5 | 1.5 | 1.5 | |
| 1.6 | |||
| 1.8 | 1.8 | ||
| 2.0 | |||
| 2.2 | 2.2 | 2.2 | 2.2 |
| 2.4 | |||
| 2.7 | 2.7 | ||
| 3.0 | |||
| 3.3 | 3.3 | 3.3 | |
| 3.6 | |||
| 3.9 | 3.9 | ||
| 4.3 | |||
| 4.7 | 4.7 | 4.7 | 4.7 |
| 5.1 | |||
| 5.6 | 5.6 | ||
| 6.2 | |||
| 6.8 | 6.8 | 6.8 | |
| 7.5 | |||
| 8.2 | 8.2 | ||
| 9.1 |
数字表示

セラミックコンデンサ、フィルムコンデンサ、タンタルコンデンサなどリード付きコンデンサや一部のチップコンデンサでは、以下のように数字表示されています。数字以外に、R(小数点)など特殊な表記もあります。
通常、「pF」(ピコ・ファラッド)を基準にしていますが、容量の大きいものでは「uF」(マイクロ・ファラッド)を基準にしている場合もあります。
数字表示
| 第1数字 | 第2数字 | 乗数 |
|---|---|---|
| 0 | 0 | $10^0$ |
| 1 | 1 | $10^1$ |
| 2 | 2 | $10^2$ |
| 3 | 3 | $10^3$ |
| 4 | 4 | $10^4$ |
| 5 | 5 | $10^5$ |
| 6 | 6 | $10^6$ |
| 7 | 7 | $10^7$ |
| 8 | 8 | $10^8$ |
| 9 | 9 | $10^9$ |
| R(小数点) | R(小数点) | - |
コンデンサの誤差は、以下のようにアルファベットで表示されています。
誤差
| 記号 | 誤差 |
|---|---|
| C | ±0.25[pF] |
| D | ±0.5[pF] |
| F | ±1[%] |
| G | ±2[%] |
| J | ±5[%] |
| K | ±10[%] |
| M | ±20[%] |
| Z | -20[%], +80[%] |
コンデンサの定格電圧は、以下のように数字とアルファベットの組み合わせ2文字で表示されています。
定格電圧(数字とアルファベットの組み合わせ)
| 記号 | 0 | 1 | 2 | 3 |
|---|---|---|---|---|
| A | 1 | 10 | 100 | 1000 |
| B | 1.25 | 12.5 | 125 | 1250 |
| C | 1.6 | 16 | 160 | 1600 |
| D | 2 | 20 | 200 | 2000 |
| E | 2.5 | 25 | 250 | 2500 |
| F | 3.15 | 31.5 | 315 | 3150 |
| G | 4 | 40 | 400 | 4000 |
| H | 5 | 50 | 500 | 5000 |
| J | 6.3 | 63 | 630 | 6300 |
| K | 8 | 80 | 800 | 8000 |
また、部品サイズが小さいコンデンサだと、数字とアルファベットの組み合わせ2文字だと入りきれないため、以下のようにアルファベットのみの1文字で表示されています。
定格電圧(アルファベットのみ)
| 記号 | 0 |
|---|---|
| j | 6.3 |
| A | 10 |
| C | 16 |
| E | 25 |
| V | 35 |
| H | 50 |
コンデンサ早見表
コンデンサ早見表
| 表示例 | コンデンサ容量値 |
|---|---|
| 106 | 10[uF] |
| 105 | 1[uF] |
| 104 | 0.1[uF] |
| 103 | 0.01[uF] |
| 102 | 1000[pF] |
| 101 | 100[pF] |
| 100 | 10[pF] (または100[pF]) |
「104」(0.1uF)がよく使われるので、当サイト管理人の場合、「104」を基準にして覚えています。
読み方の例:リード付きコンデンサなど

- 第1数字:2
- 第2数字:2
- 乗数:$10^4$
- 誤差:±5[%](J)
- 定格電圧:50[V](1H)
- 容量値:$$22 \times 10^4[pF]=220000[pF]=0.22[uF]±5[\%]$$
容量値、誤差、定格電圧が表示されています。

- 第1数字:4
- 第2数字:7
- 乗数:$10^3$
- 誤差:±10[%](K)
- 定格電圧:63[V](J)
- 容量値:$$47 \times 10^3[pF]=22000[pF]=0.047[uF]±10[\%]$$
定格電圧の表示の「1J」が省略されて「J」になっています。アルファベットのみの1文字で表示される「j」と間違わないようにご注意下さい。

- 第1数字:1
- 第2数字:0
- 乗数:$10^4$
- 容量値:$$10 \times 10^4[pF]=100000[pF]=0.1[uF]$$
コンデンサに種類よっては、誤差と定格電圧の表示が省略されることがあります。

- 第1数字:1
- 第2数字:0
- 乗数:$10^1$
- 容量値:$$10 \times 10^1[pF]=100[pF]$$

- 第1数字:1
- 第2数字:0
- 乗数:$10^0$
- 容量値:$$10 \times 10^0[pF]=10[pF]$$

- 容量値:$$100[pF]$$
コンデンサの容量値が100[pF]以下だと、表示されている数字をそのまま読みます。100[pF]だと、表示が「101」と「100」の2パターンあるので注意して下さい。

- 容量値:$$20[pF]$$

- 小数点:R
- 第1数字:3
- 第2数字:3
- 容量値:$$0.33[pF]$$
「R」を小数点として読みます。

- 第1数字:6
- 小数点:R
- 第2数字:8
- 容量値:$$6.8[pF]$$
「R」を小数点として読みます。
読み方の例:電解コンデンサ

- 定格電圧:50[V]
- 容量値:$$100[uF]$$
リード付き電解コンデンサは、容量値と定格電圧がそのまま表示されています。
また、極性があるため、リード線の長い方が「+」になります。上記の画像ではわかりませんが、「-」がわかるようにコンデンサ本体に白線のマーキングが入っています。

- 定格電圧:6.3[V]
- 容量値:$$47[uF]$$
チップ電解コンデンサでは、容量値の単位が省略されていたり、定格電圧がアルファベットのみの1文字で表示されていることがあります。
また、極性があるため、「-」がわかるようにコンデンサ本体にマーキングが入っています。
無表記(表記なし)
チップコンデンサ(セラミックコンデンサ)は、サイズが小さいため以下のように無表記になっています。

一旦、チップコンデンサの型番がわからなくなってしまうと、容量計やLCRメーターで測定して確認するしかありません。
また、チップコンデンサの定格電圧まで調べるとなると、電圧を加えすぎて破壊してしまう可能性もあり現実的ではありません。
当サイト管理人の場合、価格がそれほど高くないので、型番がわからなくなったチップコンデンサは捨てるようにしています。