KiCad-テンプレートの種類と使い方
当記事では、KiCadのテンプレートの種類と使い方について、詳しく解説します。
テンプレートを使うことで、あらかじめ設定された新規プロジェクトを作成することができます。
テンプレートの種類
KiCadのテンプレートは、基板外形、コネクタ位置、回路要素、設計ルールなどを含んでるため、あらかじめ設定した新規プロジェクトを作成することができます。
KiCadのテンプレートは以下のように大きく3種類にわけられます。
新規プロジェクトを作成する際、テンプレートファイルは新規プロジェクトの場所へコピーされ、新しいプロジェクトの名前に変更されます。
テンプレートの種類
テンプレートの種類 | 説明 | パス |
---|---|---|
デフォルトのテンプレート | 新規でプロジェクトを作成する際に使われるテンプレート | C:\Program Files\KiCad\share\kicad\template\kicad.pro |
システムテンプレート | KiCadに初めから用意されているテンプレート | 環境変数 KICAD_TEMPLATE_DIR に定義されたパス (C:\Program Files\KiCad\share\kicad\template) |
ユーザーテンプレート | KiCadユーザーが作成したテンプレート | 環境変数 KICAD_USER_TEMPLATE_DIR に定義されたパス (C:\Users\USER\kicad\template) |
システムテンプレートとユーザーテンプレートのパスは、メニューバーの「設定」-「パスを設定」から変更することができます。
デフォルトのテンプレート
Windowsの場合、「C:\Program Files\KiCad\share\kicad\template」の「kicad.pro」がデフォルトのテンプレートになります。
「新規プロジェクトを作成します」をクリックして、新規でプロジェクトを作成する際に使われます。「kicad.pro」の設定内容を変更・上書きすることで、デフォルトのテンプレートの内容を変えることができますが、ユーザーテンプレートを自分で作成する方がおすすめです。
システムテンプレート
システムテンプレートとはKiCadに初めから用意されているテンプレートです。
システムテンプレートを使うにはまずは、「テンプレートから新規プロジェクトを作成します」をクリックします。
「システムテンプレート」を選択して、使いたいアイコン(例:ARDUINO UNO)をクリックした後、「OK」をクリックするだけです。
以下のように、Arduino(アルデュイーノもしくはアルドゥイーノ)やRaspberry Pi(ラズベリー パイ)と言ったマイコンボード、シングルボードコンピュータなどの拡張ボードのテンプレートを使用することができます。
ただし、ほとんどが基板外形に加えて、取付け用の穴やコネクタが配置したのみになっています。
システムテンプレートの種類
テンプレート名 | 説明 |
---|---|
Arduino Fio | Arduino Fio用拡張ボード (コネクタ、取付け穴のみ) |
Arduino Mega | Arduino Mega用拡張ボード (コネクタ、取付け穴のみ) |
Arduino Micro | Arduino Micro用拡張ボード (コネクタ、取付け穴のみ) |
Arduino Mini V05 | Arduino Mini V05用拡張ボード (コネクタ、取付け穴のみ) |
Arduino Nano | Arduino Nano用拡張ボード (コネクタ、取付け穴のみ) |
Arduino Pro Mini | Arduino Pro Mini用拡張ボード (コネクタ、取付け穴のみ) |
Arduino as Uno | Arduino Uno用拡張ボード (コネクタ、取付け穴のみ) |
BeagleBone Black | BeagleBone Black用拡張ボード (コネクタ、取付け穴のみ) |
EuroCard 60mm x 100mm | EuroCard 60mm x 100mmの基板外形 |
EuroCard 60mm x 100mm Holes | EuroCard 60mm x 100mmの基板外形 (取付け穴あり) |
Hammond Manufacturing 1593K Enclosure | Hammond Manufacturing 1593K Enclosureの基板外形 (取付け穴あり) |
Minnowboard MAX/Turbot | Minnowboard MAX/Turbot用拡張ボード (コネクタ、取付け穴のみ) |
Raspberry Pi Expansion Board | Raspberry Pi用拡張ボード (コネクタ、取付け穴のみ) |
Raspberry Pi 40-pin Expansion Board | Raspberry Pi 40-pin用拡張ボード (コネクタ、取付け穴のみ) |
Raspberry Pi HAT | Raspberry Pi Foundation B+ ADD-ON BOARD / HAT DESIGN GUIDE仕様の基板 |
STM32 Value Line Discovery | STM32 Value Line Discovery用拡張ボード (コネクタのみ) |
TI Launchpad board | TI Launchpad board用拡張ボード (コネクタのみ) |
ユーザーテンプレート
新規でプロジェクトを作成すると、デフォルトのテンプレートがされます。
そのため、基板の設計内容や基板製造業者の仕様に合わせて、設定する必要があるので、毎回となると面倒です。
そこで、自分で良く使う使用を設定したユーザーテンプレートを作成しておくのがおすすめです。
詳しいユーザーテンプレートの作成方法については別記事にて解説する予定です。