LTspice-デモ回路/サンプル回路の入手方法
当記事では、LTspiceで利用できる「デモ回路/サンプル回路」の入手方法について詳しく紹介します。
- ANALOG DEVICES(アナログ・デバイシズ)のWEBサイト
- LTspiceのフォルダ「examples」
- YAHOO! GROUPS「LTspice」
- 書籍「定番回路シミュレータLTspice部品モデル作成術」
- 当サイト「Spiceman」
ANALOG DEVICES(アナログ・デバイシズ)のWEBサイト
アナログ・デバイセズ(旧リニアテクノロジー)では、自社WEBサイトで「LTspice デモ回路」を無料で提供しています。
以下のリンクから、1089点のデモ回路を一括またはデバイス個別ごとにダウンロードすることができます。
(2020年11月現在)
旧リニアテクノロジーの2014年の資料「LTspiceの勘所」によると、これらのデモ回路は「本社のアプリケーショングループで設計・検証されている。」とのことなので、回路自体についても信頼できそうです。
さらに、旧リニアテクノロジーの型番が「LT」から始まるICに加えて、「AD」の型番のICも順次、追加されてきているようです。
LTspiceのフォルダ「examples」
最新版のLTspice XVIIをダウンロード・インストールすると、フォルダ「LTspiceXVII」の直下にフォルダ「examples」があり、その中にデモ回路/サンプル回路が保存されています。
フォルダ「examples」は以下のようフォルダ「Educational」とフォルダ「jigs」で構成されています。
- フォルダ「Educational」
- フォルダ「jigs」
フォルダ「Educational」
フォルダ「Educational」に保存されているデモ回路/サンプル回路は、主に電子回路・電子部品の勉強用です。
例えば、「notch.asc」ではノッチフィルタ(特定の周波数をカットするフィルタ)のシミュレーションを行うことができます。
以下のようにファイルを開いて「Run」をクリックするだけで、波形ビューワに自動的にノッチフィルタの周波数特性が表れます。
フォルダ「jigs」
フォルダ「jigs」には各デバイスごとのデモ回路/サンプル回路が保存されています。
アナログ・デバイセズが旧リニアテクノロジーを買収してから、型番が「LT」から始まるデバイスに加えて、型番が「AD」から始まるデバイスのデモ回路/サンプル回路が増加してきました。
旧リニアテクノロジーの2014年の資料「LTspiceの勘所」によると、「主にデバイス・モデルの検証用であり、完全な設計ではない。」、「理想部品を使用しており、使用条件に合わせて調整が必要」と記載されています。
さらに、フォルダ「jigs」の中に注意文(ReadMe.txt)があります。
そのため、あくまでデバイスの大まかな動作を確認するために利用した方が良さそうです。
YAHOO! GROUPS「LTspice」
アメリカのYAHOO! GROUPS「LTspice」では、LTspiceについての技術的なトピックが非常に活発な上に、参加しているユーザーがデモ回路/サンプル回路、SPICEモデル、回路図シンボルなどもアップロードしています。
アナログ・デバイセズが旧リニアテクノロジーを買収した後も、順調にユーザー数が増えてきており、2013年で約4万人だったのが2019年3月現在では約7万人にもなっています。
YAHOO! GROUPS「LTspice」に参加するには、アメリカのYahoo! IDの作成が必要ですし、使われる言語も英語になってしまいますが、非常に有用ですのでぜひ登録してみることをおすすめします。
書籍「定番回路シミュレータLTspice部品モデル作成術」
書籍「定番回路シミュレータLTspice部品モデル作成術」では、付属のCD-ROMに、無料で150点以上の部品モデルとシミュレーションデータが保存されています。
書籍代は3200円(税別)と少し高いですが、LTspiceをより使いこなしたい方やこれから自分でSPICEモデルを作成したい方にとっては、十分に元が取れる内容となっています。
当サイト「Spiceman」
当サイト「Spiceman」でも、多数の「デモ回路/サンプル回路」を無料で配布しています。
例えば、LTspiceでできる各種解析のデモ回路/サンプル回路や回路図シンボルなどをダウンロードすることができます。ぜひご活用いただけると幸いです。